激流
私達の中から主演を決めて脇を選ばれなかった人がやるような舞台かと思ったら全然違った。
会場に着くとそこにはさまざまな年代の男女、大人から子供までギラギラしてオーデションの開始を待つ人がたくさんいた。
会場についてから、マネージャーらしき女性にオーデション内容を伝えられた。
この舞台ルーキーだけで構成されるらしい。
芸歴三年以内のものだけで披露される。
さらに、3人の監督が一本づつ披露する3本立て舞台で、その最後に面白かった作品に投票してもらいその場で順位をつける。
それを一日二公演。
とりあえず1ヶ月の公演。
とても昨日今日デビューした人間には過酷な日程だ。
なるほど。まわりの目がギラギラして見えるのも納得だ。話題作りの為にアイドルが来やがって!とか、なんだよ、出来レースはじゃねぇか。みたいな意図があり私達を睨みつけているのだろう。
だが、マネージャーの
「本物のオーデションがどんなものか、空気とまわりの人の熱意だけでいいから感じ取って来なさい!」
の一言だけで、まわりの目から私達に向けられた敵意が消えたのがわかった。
この場を借りて成長した後に来るかもしれない大事なオーデションの練習をするのだ。
私達でも理解できた。
練習だ。軽い気持ちで挑んで良いのだ。
「ショートカットのお前」
呼ばれ慣れていないが私の事だとすぐわかった。
「お前が主演だ。この舞台と心中しろ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます