第30話 暴虐
「お前は欠陥品だ。体も心もまともに動きはしねぇ。グダグダいつだって頭が痛いだの吐き気がするだの眠れないだの、一分でも何も不良のない時があったか?ねぇだろ。知ってるぜ。お前が死んだ方がマシだって思ってることも、でも生きたいって思ってることも、こうして馬鹿みたいに俺の話を書き連ねてることも。ずいぶん格好つけてるじゃねぇか。欠陥品の、しかも特徴もねぇ屑が。わかってんだろ?生きていけないって。なぁ。死にたいんじゃねぇよな?死ぬしかねぇんだろ?わかってるよな?馬鹿らしい話だぜ。ただの消去法さ。小学生でも解ける算数の問題だ。それにいつまでもいつまでもお前は向き合って、周りで歩いてく奴らを見て、それでも俺は何て思ってんだろ。おいおい、言い訳はやめろよ。俺は全部わかってるぜ。死後の世界が幸せか?そんなもんお前に関係ねぇだろ。選択肢なんざねぇことも、時間もねぇこともお前は知ってる。なぁまだ逃げてんのか?」
「逃げるに決まってんだろ。情けなさも不甲斐なさも、理不尽もどうしようもない自分も全部わかってるさ。でもな。お前を殺すまで俺は書き続けてやる。お前の全てを書き遺して殺してやる。俺がそのうち死ぬのは当たり前だ。だから何だ?その時はお前も道連れだ」
「お前が俺を殺して死ぬか、俺がお前を殺して死ぬか」
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