第25話 パンドラの箱

うつ伏せのまま死に給え

振り子の原理に従って

やつれた手首を切り捨てて

新しい夜明けのその先の

浮かばれぬ亡霊たちを贖え

腐肉を貪る太陽のように

餌付けを待つ鴨鹿の音色は

虹色のLSDを運ぶ

遠くほつれた系を辿り

明滅するネオンの外を眺めれば

紫煙が一つ燻っている

当たり障りのない衝動の裏で

客人たちは出迎えられる

滅亡は不可避と嘆きながら

楽しくテキーラを開けるがいい

竜舌蘭に殺される鬱屈した魂の

亡骸を埋める墓守よ

汝の慰めやいかにあらん

問わず嫌いの問答の末に

仏陀の屍体を犯して

咆哮する感情の起伏を

瀉血の医者に任せろ


購いと罪を

オッドアイの裏側に埋めて

脈打つ血管を殺せば

また眠りから醒める

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