第九章 /結末
学校へ行くと、様子のおかしさにすぐ気付いた。
教室に入るとすぐ、クラスメート達が話しかけてきた。
―担任が死んだよ―
―昨夜、車にひかれたんだって―
…それは昨夜見た夢の内容そのままだった。
しかし少しも恐ろしくは無かった。
けれど顔では不安を表し、心の中で笑った。
コレでもう、自分を不快にさせるものはいなくなったのだと―。
その夜、原型をとどめていないキャンドルを前に、考えていた。
最後の夢は何を見ようか、とか。
この不思議なキャンドルは2つめも同じ作用を与えてくれるのか、とか。
さまざまなことを考えているうちに、時間はすでに深夜になってしまった。
慌てて、とりあえず一つの願いを決め、キャンドルに火を付けた。
そしてその夜見た夢は、不思議だった。
暗い夢の中で、もう一人の自分と出会う。
イヤな笑い方をする自分はこう言った。
―燃え尽きる。全ては灰になる―
何のことか尋ねようとして口を開けたまま固まった。
目の前の自分の体が、サラサラと崩れ始めた。
言葉通り、燃え尽き、灰になっていく。
そして気付く。
自分の体も同じように灰になり、崩れていく。
言葉にならない悲鳴が、口からほとばしった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます