17 歪んだ道
高校から帰る途中、私は見覚えのない分岐に出会った。
昼間なのに、森の中へと続く道はそこだけ森が切り取られたように真っ暗だった。
不気味に思って家に帰り、母にそのことを話すと
「その道は歪んどるで、入ったらあかん」
と言われた。
次の日、土曜日の部活の帰り道、また同じ場所に歪んだ道はあった。
相変わらず道は真っ暗で、見つめているとそこに引き込まれてしまいそうだった。
二日間続く恐怖を訴えた私に、母は
「明日から遠回りしたら」
と提案した。
次の週の月曜日、私はなるべく人通りの多い道を選んで通った。
三つ目の曲がり角に差し掛かったとき、そこに、真っ暗な、歪んだ道があった。
私は怖くなって、一刻も早く帰宅を終えてしまおうと右に避けた筈だった。
歪んだ道の黒に吸い込まれた。
真っ黒な絵の具を泳いでいるようで、不思議と恐ろしくはなかった。
闇が私を引っ張るので、足を止めることはできなかった。
私は家の前にいた。いつもの景色だった。
私は拍子抜けして、先週末の怯えた私が馬鹿らしくなった。
早速私は学校に向かった。
週最初の授業のあと、私はなるべく人通りの多い道を選んで通った。
三つ目の曲がり角に差し掛かったとき、そこに、真っ暗な、歪んだ道があった。
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