第2話 ここにいる

遠く 風は 

どこに行くんだろうか


このままずっとずっと遠く

この川はどこに行くんだろうか


私は 遠く 

このまま 

力が湧かないまま 

どこに行くんだろうか


空を見上げてみると

涙だけが頬を重力に沿って流れて


私はこれには逆らえなくて

だけど どこに行くかわからなくて


誰?私は?


私は 誰に愛されて 

誰に愛されて ここにいる?


笑う?

生きてる理由もわからないのに?


もしかしたら 

理由なんてないのかもしれない


風が川がどこに 

どこまで遠くまで行くのかなんて

わからないものね


今 ただここにいる

それが答えなのかもしれない


そうだ


今 私は ここに いる



もう一度 見上げる

空はどこまで空で

その遠い果に 宇宙があって


私は……何者?


わからない

でもここにいるんだ


命として

宇宙の一部として


理解できることが全てじゃない

それでいいのかもしれない


笑ってみる

空を 上を 

もう一度見上げてみる


涙は頬を相変わらず重力通りに落ちるけれど

それでいいのかもしれない

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