第10話 つくしんぼう
春を告げる”つくしんぼう”が育ってきたよ
ぐんぐん ぐんぐん 伸びてきた
でも何故か 途中で止まってしまったよ
どうしてなの
成長すると”スギナ”っていう草に
なるんだってさ
漢方薬とか滋養強壮の栄養の元に
でも雑草としても嫌われてるのさ
ああ だから自分で成長を止めたのかな
これ以上 嫌われないために
だけど それはとても悲し過ぎるね
とっても とっても 寂し過ぎるね
ある日、誰からも見向きもされない
つくしんぼうに真っ白な蝶が止まったよ
あまりに綺麗な蝶に つくしんぼうは
感激して涙を流したんだ
こんな僕のところに寄ってくれて
ありがとう
つくしんぼうは嬉しくて 嬉しくて
白い蝶にいろんな詩をいっぱい贈ったよ
白い蝶もとても喜んで見てくれたんだ
たくさん たくさん お話をしたよ
詩という”こころのメッセージ”をね
白い蝶への想いに託して
蝶さん 蝶さん こんな魅力もなんにも無い
僕だけど、もう少しだけ もう少しだけ
飛び立たないで
どうせもっと他に素敵な花たちが君を待ってる
君はすぐに飛び立ってしまうことは解ってた
だけど ほんの少しだけ もうちょっとだけ
君とお話がしたいんだよ
解っておくれ お願いだから
君は僕が贈った詩にとても喜んで君の大事な大事な
鱗粉(りんぷん)を舞ってくれたね
僕はその鱗粉が舞ってくるのを涙を流して喜んで
いたんだよ
だって 僕の生き甲斐だったから
でもね今にも君が飛び立って行きそうになるのが
解るとね、怖くて 怖くて 鱗粉がたまに舞って
いても見れなくなってしまったんだ
本当に今もね 見れないでいるんだよ
僕は気が小さくて 弱くて 壊れそうな ダメな
雑草なんだ
でも今まで一生懸命に頑張って少しずつ 少しずつ
歩いてこれたのも 君がこんな僕に立ち寄ってくれた
からなんだよ
どうか解って欲しい
素直で澄み切って美しい綺麗な白い蝶さん
僕を見捨てないで
また鱗粉を舞って見せておくれ
僕の大切な 大切な 可愛い 可愛い 白い蝶さん
僕のところに 僕のところに
もう一度
逢いたいよ
好きなんだ
白い蝶さん 僕は君に恋をしてしまったんだ
白い蝶さん 僕は君のことが大好きなんだあ
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