24

「ちょっと待って」


 あなたの言葉を合図として少女達が一斉に振り返りあなたを見つめる。少なくともあなたがこれまでにあったことのある誰よりもかわいい。いや、客観的にみれば妹のなごみやその友達で近所に住む羽衣とは互角のかわいさと言えよう。あなたは緊張のなか、茶箪笥の中に仕舞ってある『ぶくぶく堂のたい焼き』のことを思い出した。そして咄嗟に言葉を続ける。


「お腹空いてるんじゃない……。何か食べて行けば!」


 少女達は互いに顔を見合わせたあと、少し考えたような顔をして、最後にはまとめ役であろう1人の少女が恥ずかしそうに言った。


「かたじけない。ご馳走になります……。」


 こうしてあなたは少女達の翻意に成功した。これが『ハーレム生活』の第1歩であることは言うまでもない。


 第3章、25へ。


(サイコロの目=6)

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