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「さようなら」


 あなたはなるべく優しくそう言って、少女達を見送った。全裸で往来すればどうなるのか、知らない訳ではない。だが、少女達は所詮は赤の他人。これ以上は関わらない方が賢明だ。


 あなたの魅力値を4減らすこと。


 少女達のその後を気にすることもなく数か月が過ぎた。その間、あなたの身の周りにはこれといって不思議なことは起こらなかった。


 ある日、あなたがテレビ番組を見ていると、新しいアイドルが登場した。フレッシュな4人の少女にあなたは見覚えがあった。そう、あの日あなたの家の湯船に突如として現れた少女達だ。あなたは一眼で少女達の大ファンになった。可処分所得の8割を注ぎ込むほどの熱の入れようだった。他人からすれば痛い程だが、あなた自身は幸せを感じる日々が続いた。


(ゲームオーバー)


(サイコロの目=3)

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