Planetarium

tada

第1話 ログイン

 西暦二千二十五年八月九日、俺、夜空 星は自分の部屋で、あるゲームが発売開始するのを今か今かと待っている。

 そのあるゲームとは、世界初のVR格闘ゲームPlanetariumだ。

 Planetarium読み方はそのまま、、プラネタリウムだ、略称はネット上ではPlだったり、プム等々色々あるが、俺は呼びやすいのでPlと呼んでいる。

 ふと時計を見ると、Pl発売開始が残り五分ほどに迫ってきていた。

 早めに仮想世界に入って準備をしよう、そう思った俺はベッドの上に置いてあるVRヘッドセットを、頭にかぶり瞼を閉じベッドに横たわる。

 すぐさま眠ったような感覚になり始める。

 瞼を開けると俺は、ベッドの上に横たわっている、最初の頃はこの感覚にもびっくりしたが、今ではもう慣れてしまった。

 ゆっくり起き上がりながら回りを見渡す、壁は真っ黒に塗りつぶされ部屋の中にはベッドが、一つ置いてあるだけの殺風景な部屋。

 ここは今までのゲーム機にあったホーム画面のような場所だ、自由に部屋の中をカスタマイズできるのだが、そういったものに興味がない俺は、見事にこんな真っ黒で真っ暗な部屋にしてしまっているわけだ。

 もうすぐかなと、スマホの画面をタッチするような感覚で、自分の手元の空間に触れるするとずらーっとメニュー一覧がでてくる。

 その中にはゲーム一覧だったり、音楽一覧、ゲームを買うためのストアなどが並んでいる。

 俺はその中の、ゲーム一覧をタッチすると俺が持っているゲームの一覧がでてくる、そういったシステムだ。

 一覧の中には、MMORPG、シューティング、恋愛シミュレーションなど色々あるが、一覧の中に一つだけ残り三分とカウントダウンしているゲームがあった。

 それがVR格闘ゲームPlanetariumだ。

 長いカウントダウンを待つ、この三分は三十分にも感じられる長さだった。

 だんだんとカウントダウンが減っていく、残り二分、残り一分、残り十秒、残り零秒、その瞬間俺はPlをタッチした。

 ゲームの中に吸い込めれていくような感覚になり、視界が真っ暗になっていく。


 瞼を開けるとそこには満点の星空が見えた、興奮を抑えられず思わず声を上げてしまう。

「おおーやっとPlの中にきたー」

 初めて仮想世界に入ったとき並みの声をだしてしまって、俺自身も驚いている。

 すると影から俺の叫びを聞いていたのだろう、頭の中に突然、絶対に俺のことを馬鹿にしている笑い声が響いてくる。

「なんだよ、別にいいだろ叫んだってというかお前だれ?」

 少しイラっとときたので、強めの口調で問う。

 さっきまで笑い転げていたそいつは、やっとこさ笑いを止め俺の質問に答え始めた。

「僕はこのゲームの案内役、AIのスターだよ、よろしくね」

 スター安直な名前だな、と思わず笑いそうになるが必死にこらえる。

「あれでも案内役って公式の生放送だと女性の人だったきがするんだけど?」

 まだイラついているのか、またもや俺は少し強めの口調で問いかけてしまう。

「公式の生放送の時のは、プレイヤーが女性だったから、案内役も女性になっていただけだよ」

 やはり少し馬鹿にしているような気がするが今回は無視して質問を続ける。

「同性同士で組まされるってことであってる?」

「うんあってるよ、ただそれは最初だけで一応案内役の性別変更もできるけど、どうする?」

 笑いのツボが終わったのか、先ほどとは全く違うまじめな声で訊いてくる。

 ここまで聞いといてなんなのだが、もう正直案内役が男だろうが女だろうが、どっちでもよくなっていた。

 なのでとりあえず適当に答える。

「ここまで説明させておいてなんなんだけど、正直性別がどっちでもどうでもいいから、まぁ男のままでいいよ」

 案内役は、良かったと言わんばかりに安堵ため息をついた。

 ただそんなことを気にせずに、俺は質問を続ける。

「そろそろゲーム始めたいんだけど、どうしたらいいの?」

 あたりまえのように質問してくる俺に驚いたのか少し慌てながら、答え始める。

「さっきまで性別の話させてたのは、君でしょ? 結構自分勝手だね君」

 少しだけごめんなさいという気持ちが、ありながらも早くと案内役を急かす。

「わかったよ、でもゲームを始める前に、このゲームの世界観を説明しないといけない決まりだから、さっさと説明しちゃうね」

 世界観? 早くゲームやりたいんだけどなと思いながらも、案内役が説明を始めると目の前に映像が流れ始めた

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