わたしのはなし

さきりん🐥

第1話 変な私



「凛(りん)ちゃんはお母さんのお手伝いもお勉強も頑張って偉いね~、うちの美昆(みこ)にも見習って欲しいわ…」

「待ってよママ、あたしだってちゃんとお手伝いも勉強もしてるじゃない!」

「そうね、でも美昆はお勉強苦手でしょう?もう少し真面目に受けたらどうなの?」

「でもでも凛ったら、あたしの勉強も見てくれるし!それのおかげであたしも成績が上がってるの!あとはよく先生に頼まれたことも手伝ってくれたりするの!ほんと、あたしいい友達を持ったと思う!」

「あは、ありがとう…」


私の悪い癖、それはなんでもやってあげたいと思ってしまうこと。

それはやらなくてもいいんじゃないか。

別にそれくらいできるんじゃないか。

そう思ってもやってあげたくなっちゃう。

それが私の悪い癖。


悪い癖と同時に出来たのは言われたい言葉。

よく言われる。

「凛は他の人と違っていいよね」って。

私はそれが嫌なんだけどね。

わかってもらえるはずもないから笑うしかないけど。

言われたい。

『あたしと一緒だね』

みんなにはどうでもいいことかもだけど。


よく友達に冷たい目で言われるんだ。

「凛みたいにやったらなんでも出来る人は苦労しなくていいよね、凛にはうちらみたいな頑張っても出来ない人の気持ちなんてわかんないでしょ」

わかんないよ。

だってあなた達だって私がどんだけ頑張って今のすごく楽しい生活を手に入れたか、わかろうともしないんだから。


ごちゃごちゃ、頭の中で回る。

私は人形じゃない。

私は人間だ、周りから見たら人形みたいでロボットみたいで感情がないように見えるかもしれない。

でもそれはみんなの理想の『凛』を作ってるんだ。

正直、よくここまでポーカーフェイスやみんなが思う私を想像しただけで生活できたな、なんて思う。


私って変だけど考えてみたらもっと変かも。

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