第11話 クスッ。

 クスッ。

 はじめて笑った!


 天使のように可愛いタエちゃん。


 奇跡です!

 魔王だけに向けて天使のタエちゃんがはじめて微笑んでいます。



 たったこれだけ〜♪

 だけど魔王には恋の奇跡〜♪

 フワフワフワ〜。

 見えないけれどいるんだよ〜♪

 あ〜っ! また恋のキューピッドが

 天空の家にサーッと帰って行ってしまいました。


「おっさん! 変な話しかけ方すんなよ」

「ちょいっと、おたずね〜」

「はあ?」

「ちょいっと、おたずね〜。炊飯器はいつ捨てられますか?」

「自分で調べろ。おっさん」

 初めての魔王と天使の長めの会話に色気なし。


 ゴミ出しステーションから帰る毒舌天使級美女のタエちゃんが、ちょっとだけ笑っていました。


 魔王は〜♪

 恋の一歩前進〜?♪


 アホアホ魔王〜♪

 なんでタエちゃんに素敵な元カレのことどうなったか聞かない?♪


 恋のキューピッドは天空の自分ん家でテレビを見ています。


 ニヤニヤニヤ。

 テレビに映し出された大男の魔王にゲラゲラ大笑い。


 奥手すぎ〜♪

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