よるの詩集
金栗捨
あな
まっくらやみのカタツムリ
ふさいだはずの
びいびとふるえる糸電話
忙しそうで何よりです
ふすまをがりがりひっかいて
どんちゃんさわぎをはじめると
絵の具がごろりと腹をくだして
のぞきあなを開けるのです
小鳥さえずる森の奥
ベビーカーが燃えている
きいきい きいきい きいきいきい
また別の日にのぞいてみても
やっぱりずうっと燃えている
きいきい きいきい きいきいきい
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