第いち話
まず気づいたのは次男だという
ああ、その前に、この家は五人家族だ
父母、長男、次男、長女
まあまあバブル崩壊前に買ったお高くも安い土地
そう言いつつも、ここらの地主に嫁いだ女が母の姪という繋がりもあり簡単に手にいれた
一軒家を手に入れた時、兄弟妹たちは全員二十代で、長男と長女は家を出る寸前のことだ
さて、続きを書くと
別に次男は霊能力もなく、幽霊なんぞ今まで見た事もない
次男の部屋は二階、諄いけれども家を正面から見て二階は三部屋ある。右端の長女、真ん中の長男、左端の次男。そう割り振られていた
次男が初めて幽霊を見たのは自分の部屋の入口。左端の部屋は二階へ続く階段の手前に入り口があり、とたとた、と階段を上る音が聞こえ長女だろうか、と思ったと言う
だが目にしたのは、この家にいないはずの女だった。
よく文章にされる。長髪、黒髪、白い服、丈の長いワンピース。テンプレートな幽霊の横顔を見た。ぎょっとしたのは勿論、身体が固まり動かなくなったのも勿論
魅入られている様な錯覚を覚えたらしいが、幽霊は次男の部屋を通り過ぎて行った
これが、この家で初めて起こった怪奇現象である
長女を見間違えたのかも、と思い至るけれども、その頃の長女は長髪とは言えど茶に染めていた
なので該当しないし、じわじわと次男は恐怖を感じていた
一軒家を手にして、やっと一人部屋を貰えたというのに次男は大事になるまで言えなかったと言う。
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