第11話 会いたい

「......みさん。」


(ん?なんか聞こえる。なぜか、懐かしい感じがするな。)


摸神は、ぼんやりと聞こえる声に耳を傾けた。


「......がみさん。おー...、もがみさん。」


(なんだ、俺は呼ばれてる?)


何が起きたかわからない摸神は寝る様に目をつぶった。


バッシーン


何かが何かをぶった様な音が摸神の耳に入った。


(なんだろう、頬が痛い。叩かれたのか?)


摸神が目を開けるとそこには、見たことのある人(?)達が結構いた。


(こいつらは、なんだっけ?確か.......)


摸神が考えている間に女の子(?)に声をかけられた。


「ねぇ、早く起きてくんないかな、剣一」


(なんか、聞き覚えのある声をしているな。)


すると、摸神の耳もとに女の子が息を吹いた。


「ふぃァァァ~」


摸神は気持ち悪い声を出して驚いた。

摸神は目が覚めた。


(お前は、お前達はまさか....)


「剣一~、今、お前達はまさかとか思ったでしょ。まぁ、今、思い出したんだし及第点としようかな。」


摸神の目の前にはアニメで見たことがある

キャラクターたちが勢揃いしていた。

摸神はまぁ誰もが言いそうな言葉を発した。


「何でお前らがそこにいる?」

少し強めに言ったがすぐ反論されることを

摸神は知っていた。

なぜなら、摸神の目の前で喋った女は

あるアニメの「異界の女王」と呼ばれた、

「反論の神」メティス

というキャラだからだ。

メティスが、摸神に近寄ってくる。

スタスタとハイヒールの音を出しながら。


「僕らは君を知っている。君は僕らを知っている。だが、会ったことは一度もない。

なぜだか分かるかい?」


摸神は知らんというそぶりをした。


「それはね、........だからだよ。」


摸神はほとんど聞き取れなかったが分かった感じを出した。

そして摸神は大事なことに気がついた。


「おい、」

「ん?」


一言の会話が挟み摸神は言った。


「俺が巨人になった後、町はどうなっている。 」


メティスは拍手をし、

「よく巨人になることを知っていたね~」

といい指を鳴らし動画を見せた。


「今はこんな感じかな~。兵士たちが集まって退治しようとしてるところかな~。まぁどんなに殴っても意味はないけどね~」


メティスが見せた動画は言ったとおり兵士たちが群がっていた。


摸神は

「大丈夫なんだよな?」

と言った。


メティスは摸神に説明をした。

「まぁ、大丈夫大丈夫。どんな攻撃でもびくともしないし、こっちからも攻撃はしないはずだから。硬質化って分かる~?重くなり固くなるやつ。自分が動けないかわりに圧倒的な守りを得た訳。こんなときだから話すんだよ。いや、話すことがあるから巨人にした。って言った方が分かりやすいかな?」


摸神は聞くだけに集中した。

もう喋るのを諦めたのだ。


「う~ん、反応を少し期待していたけれどいいか。」


メティスは摸神の頭を触り

「説明めんどいから頭に無理やり突っ込んどくわ。最初は頭に死にそうな、いや、死にたくなるような痛みが走るから耐えてね~。だんだんなれてくると思うから。んじゃ頑張って~。」


摸神は「ん?」と言った。

もうその後は思い出したくない。

ヤバかった。本当にヤバかった。

痛みが体中を襲いかかってくる。

叫び、泣きを繰り返した。

痛みが止んだと思ったらメティスが、

「あっ、ごめ~ん。記憶も戻したからさっきの痛みの100倍は痛むから頑張って~。」

と笑いながら言ってきた。

もう無理だ....


摸神は心を無にして感情を消した。

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