カクヨム作者はカク語りき

中村 繚

Q1 キャラを作る際に工夫した点はありますか?



 改めまして。『BOOK』というタイトルで現代ファンタジーを書いています、中村繚と申します。

 カクヨムの割と初期の頃から投稿はしていましたが、気付いたら三回目の大晦日を経てページ数だけは50話に到達して、それでもまだ現時点で21話までしか更新できていないし、物語中ではまだ4月も終わっていない事に戦慄しておりますガクブル。

 兎にも角にも、自分と作品を見つめ直す機会でもありますので参加させていただきます! よろしくお願いします!


 最初に、キャラについて。

『BOOK』の登場人物たちの名前は、みんな植物や花の名前に由来しています。

 理由としては、規則性があれば命名がある程度楽だから。もう一つは、『ポケットモンスター』から。

『ポケモン』ゲームシリーズ本編の、ジムリーダーや四天王などの主要登場人物の名前は、植物が由来しています。

(例:タケシ=竹、カスミ=カスミソウ)

 私が元々、『ポケモン』の二次小説書きのため、オリキャラを登場させる際はその規則性に従い必死に植物図鑑をめくっていました。しかも、時にはキャラの性格や印象も、花言葉や実物の雰囲気でぼんやりとイメージできるというお得な効果付きです。


 命名は植物の名前プラス、ある程度のイメージで。

 現代編の主人公、よっくんこと「黒文字読人」は、クスノキ科の落葉低木である「クロモジ」と「本を読む人」から。「本に書かれた黒い文字を読む人」という名前を。

 過去編の主人公、よっくんのおじいちゃんである「黒文字蔵人」は、「黒い文字の本を蔵に収める人」というニュアンスと、「クロード」という外国にも通じる名前の響きから。過去編は舞台が英国のため、ちょっと格好つけました。

 それに伴い、主人公一族はそれぞれ「本に黒い文字を書く人」と「黒い文字の本に栞を挟む」となります。よっくんのパパは婿養子なのでちょっと違いますが、「本が厚い」という意味で若干意味は通じます。ちなみに、特に重要でもない旧姓は「松風」です。

 黒文字家は色々と格好をつけましたが、他の登場人物たちはほとんどイメージで命名しています。時には明確なモデルがいたりいなかったり、由来する植物を決めたら名前ができていたりしています。


【現代編】

黒文字クロモジ読人ヨミヒト:『竹取物語』

 →クスノキ科の落葉低木「クロモジ」+「読む人」


火衣ヒノエ:火鼠の衣から想像して創造されたハリネズミ

 →「火鼠の衣」から。しかし、実はハリネズミはネズミではなくモグラに近い生態なのだ!


竹原タケハラ夏月ナツキ:よっくんが一目惚れした図書委員

 →イネ科タケ亜科の多年生常緑木本「竹」+「月」


小野寺オノデラ桐乃キリノ:『ピノッキオの冒険』

 →ゴマノハグサ科の落葉高木「桐」+他の創作小説から「小野寺」の姓を流用、及び「石ノ森章太郎」先生より


檜垣ヒガキ響平キョウヘイ:『銀河鉄道の夜』

 →ヒノキ科の常緑高木「ヒノキ」+読み人と合わせて「読む」と「響く」


ハインリヒ・エッシェ:『しっかりもののスズの兵隊』

 →モクセイ科の洛陽小高木「トネリコ」のドイツ語+『サイボーグ009』の登場人物『アルベルト・ハインリヒ』から。名前が同じじゃなくてまんまモデルだったよ!


ビルネ・アーベンシュタイン:アーベンシュタイン家のご令嬢兼ハインリヒのお目付け役

 →バラ科の落葉高木「梨」のドイツ語


松元マツモト正美マサミ:よっくんの親友

 →マツ科の常緑高木「松」+「人間の心は正しく、美しく」by亡くなった祖母


櫻庭サクラバ聖一朗セイイチロウ:『雪の女王』、ヤバイ

 →バラ科の落葉高木「桜」+「月」+あえて清浄な名前を付けてみた



【過去編】

黒文字クロモジ蔵人クロード:『古事記』、よっくんの祖父

 →クスノキ科の落葉低木「クロモジ」+「Claude」


琴原コトハラ紫乃シノ:『源氏物語』、現代編の師匠

 →ムラサキ科の多年草「紫」+『源氏物語』+「琴」の古風な響きから。結婚後の「奥島」の姓は私の知人から


檜垣ヒガキ龍生タツオ:『一寸法師』、響平の祖父

 →ヒノキ科の常緑高木「ヒノキ」


イーリス・アーベンシュタイン:『赤ずきん』、ビルネの祖母

 →アヤメ科の多年草「菖蒲」のドイツ語


カエデ光孝ミツタカ:密航して来て拾われた

 →カエデ科の落葉高木「楓」


 名前が決まったら、彼ら彼女らはどんな人間か?

 私が創り上げていく事もあれば、登場人物が勝手に動き出してそれぞれ個性を持ってしまっている事もある。それでも気を付けている点は、現在に至るまでの彼らの大雑把な履歴を確定しておく事。

 人間には過去があって、今までの自分の物語がある。その過去があるから、彼・彼女がこんな事を言うんだ、こんな行動をとるんだ、薄っぺらにならないように心がけています。

 勿論、よっくんの周辺のみならず一回限りの登場人物や敵さんも同じです。ただの戦闘員系雑魚にならないように書いている……はず。いや、あんまり書けてねぇな。

 過去があるから現在があるといえば、過去編のキャラクターが50年の歳をとって現代編に登場しているのがこの作品ですが、50年の間にその人の身に何があったのか?現代編のこの場面は、過去編に起因しているという、リンクを繋げたいという試みもありますね。

 あと今更ですが、『BOOK』は現代編と過去編が交互に展開される物語構成となっております!

 現代編がメイン、過去編がかつてあった物語として。The past should give us hope. 過去が希望をくれる。

 詳しくは本編で!


 以上で、Q1を終了いたします。

 ちなみに、主人公を「よっくん」「よっくん」連呼していますが、本人は「よっくん」と呼ばれるのが嫌いです。よっちゃんイカみたいだから!

 あと、薄々感付かれているとは思いますが、書いている人は特撮オタクです。『仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』を観に行ったら、ほろりと涙を流しました。





→NEXT

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る