その2 輸送道路も開通
足場材は便利だ。
今回は仮設だから基礎をコンクリで固めたりしていない等はある。
それを考慮しても半日足らずで屋根付きの場所が出来てしまった。
しかも中は結構広く、作業場や薪を置いておくラックまである状態。
「取り敢えず薪置き場兼作業場としてはこれで充分でしょ」
「あとは薪の確保と作成だね。サバゲ場所までの道はどうなったんだろ」
なんて出来たての作業場内で話していたら、サバゲ場方向からふらふら二人程歩いてきた。
摩耶先輩と亜理寿さんだ。
どうしたのだろう。
「大丈夫、何か疲れているけれど」
「大丈夫です」
「単なる魔法の使い過ぎ。風呂借りるよ。ちょっとまったり休みたい」
そんな感じで二人は家の中へ。
そしてサバゲ場の方からはユンボのエンジン音が近づいてきた。
うちのユンボは小型のせいか凄く遅い。
歩く速度の半分程度の速さだ。
それがゆっくりゆっくり近づいて来た。
後にでっかい丸太二本を引っ張っている。
「サバゲ場まで道、開通したぞ。取り敢えず重そうなの二本引っ張ってきた」
運転席のアンドレア先輩が大声でそう言っている。
ユンボのエンジン音でそれくらい大声で無いと聞こえないから。
作業場前まで丸太を引っ張ってきて、そこでロープを外しユンボは庭の前の方へ。
エンジンを止めてやっと普通に話せる環境になった。
「サバゲ場中央までは完全に道が開通したぞ。しかも簡易舗装済み」
簡易舗装とは初耳だ。
「参考までにどうやったんですか」
「魔女二人に協力してもらった。具体的には
① 必要以外の部分を炎魔法で焼き払って
② 氷魔法で道の幅に竹の根とかを切ってもらって、
③ ユンボのドーザーブレードで道部分を平らにして
④ 炎魔法で超高温で表面近くの土を焼いて硬質化
という訳だ。もう今後はトラクタで自由に行き来出来る状態だ。多少雨が降っても大丈夫な程度にして貰ったしな」
なるほど、それで亜理寿さんと摩耶先輩が疲れていた訳か。
「魔女二人は大丈夫ですか」
「疲れたらしいから先に帰した。摩耶さんに言わせると『大丈夫だけれど風呂でゆっくりしたい』状態らしい」
さっき本人が言っていたとおりのようだ。
「ところでこの丸太どうしようか。太すぎて薪にするのも大変だろこれ」
「ちょっとこの小屋に入れてもらっていいかな。丸太のまま保管しておきたいの」
稲森先輩が反応する。
「何に使うんだ?」
「こういうのが好きな人がいてね。交渉材料に使えるかなと思って」
「誰だ?」
「うちの
「確かに便利だなそれは。でも大丈夫な人かその先生」
「建築バカだけれど害は無いよ」
おいおい。
仮にも
でもわかる気もしないでも無い。
大学の
「それに
そういえば以前、摩耶先輩が『立木の伐採も許可が必要』とか言っていたな。
結構色々と法律が面倒なんだな、田舎って。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます