その6 夜の告白
金子さんの車で真理枝さんと
そしてすぐに亜理寿さんの自転車も到着。
ひととおり揃ったので夕食開始となった。
タケノコご飯から始まって、
○ タケノコのバター醤油焼き
○ タケノコのピリ辛風味
○ タケノコとキノコと鶏肉の味噌煮
○ 刺身風タケノコ
とタケノコが並び、更に、
○ 山菜とキノコとタケノコの天ぷら
○ コゴミとタケノコのサラダ
○ 山菜の佃煮風
なんてのが並ぶ。
どれも美味しい。
「タケノコはどれ位採れたの」
「いい感じのサイズが取り敢えず五本だな。あと小さめが三本」
「採ってすぐ煮てアク抜きしたから美味しいと思います」
「確かに美味しいよね。いくらでも食べられる感じで」
「太るよ」
「タケノコはカロリー低いからいいの」
今日もやっぱり賑やかだ。
亜理寿さんの方を気づかれないように観察してみる。
人が多いのが苦手だって言っていたから。
でも見た限りでは大丈夫そうに見える。
心配しすぎかな。それならいいんだけれど。
食事の片付けが終わった後はそれぞれバラバラ。
そんな訳で僕も自室に戻る。
昨夜の続きでもう少しプログラム言語に慣れようかと思ってパソコンを起動。
コンピュータについてはクラスに何人かやたら出来る連中がいる。
そこまでは行かないにせよ、せめて授業で困らない程度には慣れておきたい。
そんな感じでテキスト記載の課題をいくつか解いて一服した時だ。
スマホがブーッと振動した。
見ると通知は学内SNS、相手は亜理寿さんだ。
『まだ起きていますか?』
何だろう。
『起きているし大丈夫です』
取り敢えずそう返信する。
『ちょっとこのままSNSでお話をしても宜しいでしょうか』
何だろう。
『大丈夫だよ、明日は休みだし』
『それでは失礼します』
ちょっと間が空く。
そしてSNSにしてはちょっと長い文章が送られてきた。
『実は私が文明さんに声をかけたのも、文明さんだけは近くにいても大丈夫なのは偶然ではありません。私も文明さんをこの大学で出会う前から知っていました。名前は知りませんでしたけれど、高校時代から知っていました』
えっ。
ひょっとして僕が亜理寿さんを見ていたのに気づかれたのだろうか。
次の文章が送られてくる。
『今まで言わないでいてどうもすみません。それに突然こんな話をしてすみません。ただ今まで色々文明さんに言わなかったのはフェアでは無かったとわかっています』
『それは気にしなくていいよ』
とっさにそう打ち返す。
スマホの入力はこんな時にもどかしい。
僕はパソコンのブラウザを立ち上げる。
お気に入りから学内SNSの画面へ。
こっちならキーボードでそれなりに早く打てるから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます