その6 ゲームのルール

 僕は下はジーパンのままでいいだろうという事で、上にジャケットを着て帽子をかぶりゴーグルを装着。

 ジャケットは迷彩模様では無く黒色一色の物。


「それはSWATスタイルのアモだ。姉貴のだけれど多分文明もサイズ大丈夫だろ」

 確かにサイズはちょうど良かった。

 ゴーグルもスキー用等でイメージする物と違い、ほぼ顔全面を覆うタイプの物。

 だからつけて帽子をかぶると背格好でしか人を判断出来ない。

 手は軍手だ。

 上から一式それなりに揃っている亜理寿さんと比べて微妙にいい加減な装備。

 でもまあいいか。


「さて、それじゃ初心者向けのルールを説明するぞ。

 まず第一だが、サバゲ場はゲームエリアとセーフティエリア、試し打ち用のシューティングレンジの三箇所に別れている。このうちセーフティエリアでは絶対銃を撃ってはいけない。銃にそれぞれ安全装置があるんだ。亜理寿のはここのレバーがこの位置でロックがかかった状態。文明のはこのレバーだな。


 このレバーはゲームエリアに入るまでは絶対ロックにしておくこと。あとゲームエリア以外では絶対引き金に指を入れないこと。これは安全の為に守ってくれ。試し打ちをしたい場合はシューティングレンジでやる事。


 なおここの仮設サバゲーフィールドは赤いロープか黄色いロープの内側がゲームエリア、それ以外はセーフティエリアだ。シューティングレンジも作ってあるけれど、取り敢えず調整する時間はもう無いから省略」

 なるほど、安全には気を使っているんだな。


「それでさっきのロックのレバーだけれど、これで単射、連射と使い分けることが出来る。単射は引き金一回で弾が一発、連射は引いている限り弾が出る。あと文明の89式は三点バーストと言って一回引き金を引くと弾が三発出るモードがある。亜理寿のG3は三点バーストは無いがその辺は自分でうまく使ってくれ。なお連射にすると二〇秒もしないうちに弾切れを起こすから注意しろよ。

 なお今回のゲームは特別ルールで弾は一人三百発限定だ。全員最初から装弾済み。慣れていないと補給とかマガジン交換とか面倒だから初心者ルールでそうした」

 なるほど、つまり最初から込めてある三百発を有効に使えという事か。


「あと弾の飛距離は長くても五十メートルはいかない。狙えるのは精々三十メートル以内だな。スナイパーみたいな事は出来ないと思ってくれ」

 そうなのか。

 遠距離から殲滅というのは無理と。


「あと一番大事なルール。BB弾が当たったらその時点でゲーム終了だ。これは身体に当たった以外に銃に当たった場合もだな。当たったら自分で『ヒット!』と声を出して申告して、手を上げた姿勢でゲームエリアの外に出ること。

 なおゲームエリアの外に出る前にレバーをロックにして引き金から指を外して外に出てくれ。この時は銃口は下に向けて。本当はマガジンを外すだの色々あるけれど今回は初心者が多いから省略だ。

 なお今回はヒットに気づかない人のためにサトリの牧田先輩と鬼神の美智流先輩による『死亡宣告』もつけた。死亡宣告された人は素直にヒットと申告して外に出るように」


 だいたいわかったぞ。

「つまりゲームエリア外ではレバーをロックにする、当たったら『ヒット』と言って外に出る。それでいいんですね」

「ま、それで大体は大丈夫だ」


 ブーッ。

 ブザーの鳴る音が聞こえた。

「それではそろそろゲームを始めたいと思います。皆さん受付前に集合して下さい」

 薬袋さんのアナウンスでぞろぞろと皆集まってくる。

 何やかんやで二十人くらいかな。


「それでは簡単にルールの説明をします」

 基本的に薬袋さんとアンドレアさんで進行をするらしい。

 二人が前に立って説明を開始する。


「今日は初心者対象のお試しの大会です。これで面白いと思ったら私やアンドレア、摩耶、イライザ先輩や美智流先輩等経験者にご相談下さい。

 それでは今日のルールについて簡単に説明します」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る