休日の過ごし方 前編

 デルフィーヌさんを救出した翌日、俺は休むことにした。

 昨日は勢いで薬草採取とか狩りとかしたけど、ひと晩寝たらどっと疲れが出たんだ。

 昨夜は冒険者ギルドの寝台で寝たから、疲労は取れたはずなんだが、気分的なもんかねぇ。

 切羽詰まっていろいろやったし、何回も死んだしな。

 今日は一日ゆっくりしよう。

 さて、久々にステータスをじっくり確認するか。


――――――――――

名前:山岡勝介

職業:魔道士

レベル:12


HP:512

MP:831


物攻:E(E)

魔攻:D+

物防:E+(E)

魔防:D-(E+)

体力:E+

精神力E

魔力:D

賢さ:E+

素早さ:F+(F+)

器用さ:F

運:F


【所持金】

現金:50G

カード:168G


【装備】

革のベスト(ゴブリン):物防G /魔防G-

革のズボン(ゴブリン):物防G+ /魔防G-

革のジャケット(オーク):物防F- /魔防G+

蜘蛛糸のシャツ(Gスパイダー):物防G /魔防G

革のショートブーツ(Gボア):物攻G- /物防G /魔防G- /素早さDOWN



【所持アイテム】

歯ブラシ

洗口液

革の巾着

麻の背嚢

傷用軟膏×3

タオル

雑巾×2

解体用ミスリルナイフ:物攻C /魔防UP /器用さUP


【称号】

Gランク冒険者

Fランク魔術士

Fランク治療士

薬草採取士:薬草判別効率UP /薬草採取効率UP

解体講座修了者:解体効率UP

基礎魔道講座修了者:魔術効率UP

魔道士:魔術効率UP /魔法効率UP /魔攻UP /魔力UP


【スキル】SP:7,468

稲荷の加護

言語理解

恐怖耐性:Lv2

毒耐性:Lv1

気配察知:Lv2

空腹耐性:Lv3

草刈鎌術:Lv2

野鋏術:Lv2

掬鋤術:Lv2

魔力感知:Lv4

魔力操作:Lv4

解体術:Lv4

生活魔術:Lv3

聖魔術:Lv2

採取:Lv2

気配隠匿:Lv2

無魔法:Lv2

気絶耐性:Lv2

酔い耐性:Lv1

無魔術:Lv3


【スタート地点】

トセマの街 西門

572/07/08

08:084:15

――――――――――


「ま、魔道士っ!?」


 なんと、職業が魔道士になってるよ!!

 おおう、なんか嬉しいぞぉ。

 魔道士になったおかげか、【魔攻】【魔防】【魔力】がついにD評価を超えたぜ!


 このまま魔道士街道を突き進んでもいいんだけど、やっぱ物理攻撃手段も欲しいよね。

 なんつーか、やっぱ魔道系の攻撃って、有限ってイメージがあるんだよな。

 ……となると、やっぱ目指すか?


」そう……魔法剣士をよ!!」


 やっぱ勇者っつったら魔法剣士だよな?

 いや、俺が勇者かどうかはともかく、魔法剣士って響きに、男子は憧れるんだよ。

 よし、近いうちに基礎戦闘訓練受けよう。

 

 さて、今日は休むって決めたし、ちょっと街をぶらついてみようかな。


**********


 この世界に飛ばされて、この街に来てからずっと働き詰めだった。

 いや、俺ってばこんなに働き者だったんだねぇ。

 自分でもびっくりだよ。


 西門からギルドらへんの通り以外、俺はこの街のことほとんど知らない。

 いまの俺なら多少治安が悪くても、〈気配察知〉全開で歩けば事前に危機回避できるだろ。

 って感じでぶらぶら歩いてたら、ちょっと寂れた通りに、なんか見覚えがあるものを見つけた。


 それは小さい祠のようで、明らかに初めて見る形なんだけど……。


 なんだろう、雰囲気っつーんですか? この懐かしくもなぁんか嫌ーな感じ……。


「あの、すいません」


 近所の住人っぽいおばちゃんがいたから、とりあえず聞いてみよう。

 しかし俺も物怖じしなくなったねぇ。

 〈恐怖耐性〉のおかげか、それとも人との交流になれたおかげか。

 まぁどっちでもいいんだけどね。


「この祠って、何なんですかね?」

「ああ、これ? これはね、オイナリさんだよ」


 ……そういうことか。


「いろいろご利益あるよー? なんならお供え物していくかい?」

「お供え物って、なに供えたらいいんですかね?」

「そりゃあオイナリさんっていったら、油揚げに決まってんじゃないのさ」


 へええ、油揚げ、あるんだ。

 まぁ、こっちに来てもう半月以上たつし、いつも日替わり定食みたいなの食ってるから、なんとなくグルメ事情なんかもわかってきたわけで……。

 実は異世界の食べ物って、元の世界に結構近いんだよねぇ。

 残念ながら白米を食べる習慣は、少なくともこの街にはないんだけどさ。

 でも米はあるし、リゾットやパエリアみたいなのはあった。

 あと、醤油もあるし。

 あー、でも味噌にはまだ出会ってないなぁ。

 しかし油揚げはあるんだなぁ。


「油揚げってどこで買えますかね?」

「よかったらウチで買っていきなよ!」


 まったく気づかなかったんだが、おばちゃんが立ってるうしろ、お店だったよ。

 しかもだ、なんか見覚えある感じなんだよなぁ。


「もしかして……豆腐屋ですか?」

「そうだよ! ウチは毎朝手作りで作ってるからね。味には自信あるんだよ!!」


 まぁ豆腐屋ならそうだろうね。

 しかしこうなると、豆腐も食べたいなぁ。


 ラインナップを見てみると、木綿豆腐、絹ごし豆腐、焼き豆腐のほかに、薄揚げ、厚揚げ、おから、豆乳、そして飛竜頭ひろうす――がんもどき――まであるよ。

 あと醤油も置いてあるな。


「すいません、じゃあ木綿豆腐と薄揚げと、あと醤油」

「まいどあり。器は持ってるかい?」


 ああ、そうか。

 この世界には、プラスチックやビニールみたいな、使い捨ての便利な容器とか袋が、ないんだよなぁ。


「すいません、持ってないです」

「じゃあ、お豆腐入れるのに便利な器も、一緒にどうだい?」

「ああ、そうですね。お願いします」

「ほいよ。全部で10Gにしとくよ」

「どうも」


 ポケットから大銅貨を取り出し、おばちゃんに渡す。

 豆腐は少し深めの、木製の皿に入れてくれた。

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