第11話

 アラームで起きると紅葉がニヤニヤしている、イタズラをした子供の様だ。

 

「何かしたのか?」

「あなたの体を見て」

 

 首を持ち上げると体中にキスマークが付いていた、全く気付かなかった紅葉相手だと気が緩んでいる証拠だ。

 

「わかった、朝のプレイはここまでだ」

「そうね、何か食べましょう」

 

 朝食を食べると紅葉とイソラテを飲んだ。

 

「俺達毎日こんな事ばかりしてていいんだろうか?」

「いいのよ、龍人だしお金もたっぷりあるんですもの」

「頭ではわかってるんだがな」

「私は慣れたわ、あなたも早く慣れて」

「わかった」

 

 第三の目で隣の大阪の一族を見てみた、まだ寝てる奴や朝から酒を飲んでる奴、趣味に出掛けてる奴がいるが、圧倒的に多いのは朝からセックスしてる奴らだ、しかもアブノーマルな奴ばかりだ、俺も安心し、紅葉にも教えてやった。

 

「やっぱり聞いてた通りだわ、あなたも安心したんじゃない?」

「あぁ何か吹っ切れたよ」

「それでいいわ、私達も楽しみましょう」

「そうだな、じいさんにも聞いてみる」

 

 じいさんにテレパシーを飛ばした。

 

『どうした?』

『各地の一族を見たが、朝からセックスしてる奴が多いがいいのか?』

『任務さえ忘れなければ、いつどこで何をしても構わない、お前は少々真面目なとこがあるな、心配するな好き放題何でもしなさい』

『わかった』

『お前と紅葉も一緒になったばかりだ、やりたい盛りだろう? 覗かないから好きにしなさい』

『じいさんから勧められるとは思ってなかったよ、恥ずかしいがありがとう』

 

 テレパシーを終えた。

 

「お前にも聞こえただろう?」

「えぇ聞いたわ、おじいちゃんも言ってる通り、あなたは変に真面目なところがあるわ、好きに過ごしましょう?」

「わかった、ちょっと顔を洗ってくる」

 

 洗面所の鏡を見て驚いた、首にまでキスマークがたくさん付いている、とりあえず冷たい水で顔を洗いリビングに戻った。

 

「首筋までキスマークだらけじゃないか」

「えへへ、バレちゃった」

「仕返しをする、服を脱げ」

「はい」

 

 紅葉は裸になった、首からキスマークを付けていく、紅葉が感じてる様な声を出しているが全身にキスマークを付けた。

 

「終わりだ、罰なのに何で興奮している?」

「だって気持ちよくて」

 

 逆効果だったか、まぁいいこれもプレイの一環だ。

 

「コーヒーのおかわりをくれ」

「イソラテでいいの?」

「俺がコーヒーと言ったらイソラテの事だと思ってくれ」

「わかったわ」

 

 紅葉は裸のまま空のコップを持ってキッチンに行った、まぁいいだろう俺達の家だ、好きなようにすればいい、真面目と言われた性格は止めよう。

 

「あなた、何か考え事?」

「あぁ真面目と言われた性格を治そうと思ってな」

「いいわね」

「だがどうすれば真面目じゃなくせるかがわからない」

「素の自分を出せばいいのよ」

「うーん難しいな」

「考えすぎない事ね、思った事を深く考えず行動すればいいわ」

「俺の性格が変わっても、お前は俺を嫌いにならないか?」

「嫌いになんてならないわ、そんなに軽い愛じゃないわ」

「ありがとう」

 

 龍王の声がした、久しぶりだ。

 

「優斗の真面目な部分をなくしたいなら、第三の目で深く念じなさい」

「第三の目はそんな事も出来るのか?」

「出来るわ念じれば大抵の事は叶うわ、覚えておきなさい」

「わかったありがとう」

 

 龍王の声がしなくなった、とりあえず第三の目で真面目な部分がなくなれと強く何度も念じてみた、効いただろうか自分ではわからない。

 

「あなた、念じてみた?」

「あぁ何度も強く念じた」

「変わったかどうかは暫くしないとわからないわね」

「そうだな、まぁいいじゃないか」

「そうね」

 

 テレパシーが飛んできた。

 

『優斗さん佐助です』

『どうした?』

『ドラゴンソードを狙っている鬼頭一族の者がまた八神一族の一人を殺しました』

『今、奴らはどこだ?』

『岡山です』

『早めに潰した方がいいな』

『我々もそう思ってます』

『今から行く』

『はい、お願いします待ってます』

 

 テレパシーを終え健児を呼んだ。

 

「優斗さん、遅くなりました」

「大丈夫だ」

「紅葉と桜花も行くのか?」

「「はい」」

「わかった行くぞ」

 

 三人を連れて佐助の元へ行った。

 

「早かったですね」

「あぁ奴らは?」

「今ラーメン屋に入ってます」

「出てきたら片付けるぞ、俺が先陣を切る」

「わかりました」

 

 暫くするとラーメン屋から鬼頭一族の男が四人出てきた、第三の目でわかった。

 

「あいつらだろ?」

「そうです、よくわかりましたね」

「第三の目で何でもお見通しだ」

 

 俺は男達に声を掛けた。

 

「おい、鬼頭一族」

「何で知っている」

「さぁな」

「お前は八神一族の者だな?」

「そうだ、八神一族を殺した罰を与える」

「ふははは、俺達は鬼頭一族だぞ甘く見てると殺すぞ」

「お前らの欲しがっているドラゴンソードはこれだ」

 

 俺はドラゴンソードを出した。

 

「ほう、探す手間が省ける、それを貰って八神一族を滅ぼす」

「受け取れ」

 

 ドラゴンソードを投げた、一人が掴んで。

 

「くれるのか」

「扱えるならな」

 

 男がドラゴンソードを落とした。

 

「熱い、何だこれは」

「ドラゴンソードは龍王に認められた者しか扱えない」

「無理にでもいただく」

 

 別の男が拾い上げた、俺は叫んだ。

 

「ドラゴンソード燃えろ」

 

 男の体が炎に包まれた、叫びながらドラゴンソードを手放した、炎が消えた。

 

「ドラゴンソード戻れ」

 

 手元にドラゴンソードが返って来た。

 

「健児、佐助一人ずつ頼む首は持って帰る」

「わかりました」

「はい」

 

 鬼頭達も刀を出し斬り掛かってきた、ドラゴンソードで刀を折り男の体を凍らせた。

 

「貴様変な術を使いやがって」

「今からお前の首をハネる、覚悟しろ」

「俺達の頑丈な体が斬れるなら斬ってみろ」

「試してやる」

 

 男の両腕を斬り落とした。

 

「そんな、俺達がやられるなんて」

「次は首をハネる」

「待ってくれもう八神一族は襲わねぇ許してくれ」

「二人も殺しておいて謝っただけで済むはずがないだろう」

 

 男の首をハネた、健児と佐助は苦戦している、俺は燃やした男の首もハネた。

 

「佐助代われ」

「はい、我々の刀では斬れません」

 

 俺は達磨斬撃でバラバラにしてから首をハネた、残った一人が健児とやりあっている、健児は何とか片腕を斬り落としていたが、体力の限界みたいだ。

 

「健児下がっていろ」

「はい」

 

 最後の一人も大した事はなかった、首をハネて拾い上げた、健児が不思議そうに。

 

「首を持ってどうするんです?」

「鬼頭一族の元に行く」

「全員殺るのですか?」

「いや、長に警告するだけだ」

 

 全員で鬼頭一族の村に入った。

 

「八神だ長を出せ」

 誰も襲って来ない、やはり殺った奴らが特別な様だ。

 

 老人が出てきた、一族の者達も出てきた。

 

「八神さん、どうしてうちの一族を殺したのですか?」

 

 俺は四人の首を長の足元に落とした。

 

「こいつらが先に八神一族の者を二人殺したからだ」

「そうでしたか、それはすいません」

「このドラゴンソードを狙っていた様だ」

「あなたが龍王に認められたのですね」

「そうだ、まだ狙うなら今から村を滅ぼす」

「八神さん、こいつらはこの村の不良です、見ての通り他の者は大人しいです、どうかお許し下さい」

「じゃあもう狙わないと約束出来るか?」

「えぇ約束します、我らは大人しく暮らしたいだけですので」

「わかった許してやろう、みんな帰るぞ」

 

 ゲートを抜けじいさんの元に行った。

 

「じいさん、前に言った鬼頭一族の奴を片付けた、詳しくは佐助から聞いてくれ」

「わかった」

 

 佐助を残し俺と健児達はゲートを抜けマンションに戻った。

 

「優斗さん、あの強靭な体を一発で斬るなんて凄いですね」

「あいつらが弱かっただけだ」

「俺は苦戦しましたよ」

「しかし片腕を斬ったじゃないか」

「あれが限界です」

「十分だ、よくやってくれたありがとう」

「礼なんていいですよ、少しでも役立てれば嬉しいです」

「あなた、手伝ってもらったしお昼ご飯一緒に食べない?」

「そうだな、何か作ってくれ」

「優斗さんいいんですか?」

「あぁ、これくらいしか出来ないがな」

「ありがとうございます」

 

 四人でスパゲティを食べ、コーヒーを飲むとまたいつでも手伝います、と言って帰って行った。

 

「鬼の一族って大した事なかったな」

「あなたが元々強いのとドラゴンソードのおかげよ」

「まぁそうだな、健児も結構やるな」

「そうね、健児も強かったわ」

 

 じいさんからテレパシーが飛んできた。

 

『優斗、鬼頭一族の長とも話して来たぞ』

『どうなった?』

『向こうの長が平謝りしてきた』

『そうかじゃあもう鬼の一族は全滅させなくてもいいな』

『お前ならやりかねんが放っておきなさい』

『わかった』

『佐助がお前の強さを絶賛してたぞ』

『大した事はない』

『とりあえず事件が解決したし、またゆっくりしなさい』

『わかった』

 

 テレパシーを終えた。

 

「今のはお前にも聞こえてたのか?」

「えぇ聞こえてたわ」

「じゃあ話さなくてもいいな、俺は少し仮眠を取る」

 

 ソファーに横になり、すぐに眠った。

 

 暫く夢を見ていたが紅葉に起こされた。

 

「夕方よ」

「今夜はまた刺し身にしないか?」

「そうね、お肉が続いたから刺し身がいいわね、買いに行きましょう」

「あぁ行こう」

 

 魚屋の店主に前と同じ注文をして買って帰った。

 

「いつ食べる?」

「いつでもいいぞ」

「じゃあ傷む前に食べましょう」

「わかった」

 

 二人で食べたが前より多い様な気がする。

 

「今回量が多くないか?」

「多いわね、サービスしてくれたのかしら」

「そうかもしれないな」

 

 多かったが時間をかけ完食した。

 

「美味かったな」

「私は途中から味がわからなくなったわ」

 

 紅葉には多すぎたみたいだ。

 

「苦しいわ」

「次から残ったら俺が食ってやる」

「ありがとう、お願いするわ」

 

 紅葉が後片付けをしてコーヒーを持って来て、またベッタリとくっついてきた。

 

「アイスはまだあるか?」

「もうないわよ、買いに行く?」

「行こう」

 

 コンビニまで行くとアイスやデザートを買い込んだ、コンビニを出ると片腕のない学生とチンピラがいた、学生が。

 

「兄貴、こいつです」

 

 兄貴と呼ばれた男が俺を見てビビっている様だ。

 

「俺に何か用か?」

「お前にこの前腕を斬られた仕返しだ」

 

 学生が言うとチンピラが学生を殴りつけ。

 

「馬鹿野郎、この方は八神さんだ」

「だから何なんです? やっつけて下さい」

「八神さんに逆らうと殺されるぞ」

 

 俺は声を掛けた。

 

「おい、お前は新井組の奴か?」

「はいそうです」

「不良共の教育をもっとしておけ」

「はいわかりました」

「とりあえずその不良は殺せ」

「わかりました」

 

 不良がビビり出した。

 

「えっ、兄貴止めて下さい、もしかして兄貴はこんな奴にビビってるんですか?」

「八神さんの怖さを知らないようだな」

「おい、アイスが溶ける俺が殺るからこっちへ来い」

 

 監視カメラの無いところに行き、ドラゴンソードを出した。

 

 不良は震え上がっている。

 

「見せしめにお前は殺す、悪いな」

「そんな理由で殺されるのは嫌です」

 

 無視をして達磨斬撃を食らわせた。

 

「お前はそのまま死ね」

「すいませんでした、助けて下さい」

「死んで詫びろ」

 腹を刺して引き裂いた、内臓が出てきた。

 

「いてぇ、うわぁあ俺の内臓が」

「おい、新井組のお前こいつをどこかに捨ててこい」

「わかりました」

 

 俺達はマンションに戻った。

 

「あんなガキを殺っても楽しくないな」

「まぁ今回は仕方ないわ」

 

 アイスを食べ風呂に入ると眠気が襲ってきた、時計を見たがまだ二十時だ、こんなに早く寝たらもったいないのでコーヒーを飲んで眠気を飛ばし、ネットを見て過ごした、二時間我慢したがやはり眠い。

 

「悪いが先に寝る」

「調子悪いの?」

「いや、さっきから眠気が酷くてな」

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