第2話 女騎士って全部エロいよな

 突然だが俺は騎士に追われていた。

 騎士ってのは王に仕えるならず者の別名だ。王族に逆らう連中を“きしどう”っていう独特のルールに則って虐殺する。要するに俺の親戚だな。

 たまにこういう奴らが俺のやってることを見つけちまって追い回してくることがある。迷惑な話だ。

 別に王族に刃向かっちゃいないんだけどな。街の警備をする騎士もいたりする。その都合だ。


 そういうわけで俺は逃げている最中だ。追いかけてきているのが一人だってのは分かってるし声から女だってことも分かってる。

 女騎士ってやつだ。もう今から楽しみでしょうがねえ。どうしてやろうかなぁ、ケケケ。

 ちなみに逃げてる場所は森の中だ。誰にも基本的には見つからない。こんな美味しい話はない。たまには追われるのも悪くねえな。


 適当な場所で立ち止まって追手を待つ。木々の間を駆け抜けてきたのは白銀の長髪を持つ女だった。鎧の上からでも分かるぐらいに胸がでかいし、顔も美人だ。


「ようやく逃げることを諦めたようですね。大人しく連行されなさい」


 声も顔に違わず綺麗でそそる声だ。この声で是非とも喘がせてみてえな。

 俺は降参するように両手を挙げてやる。


「分かった分かった、連行されてやるよ。その前に一つだけいいか?」

「何ですか。聞いてあげましょう」

「一発ヤらせてくれ」

「……は?」


 俺の周囲から1号の触手が現れて、呆気に取られた顔をする女騎士へと迫る。


「くっ、まだ抵抗しますか!」


 迫る触手を女騎士は跳躍で回避。木々を蹴って空中を移動していく。

 鎧を着込んでる割には身軽だな。何か仕込みがありそうだ。

 1号の触手が伸びて女騎士に追い縋ろうとする、が。


「〈グラビティ〉!」


 女騎士の魔法が発動。触手が何かにのしかかられたように地面にべしゃっと落ちる。


「……何か重いんだけど」

「魔法まで使うのかよ、めんどくせえな。森ん中だし、花の方がいいかねぇ」

「はぁい」


 俺の背後に赤紫の花弁を持つ巨大な花が咲く。大きな花弁の中心から黄色やら紫やらで色づいた花粉を放出し始める。

 これを吸い込めば身体の自由が効かなくなるってわけなんだが。


「〈クリアウィンド〉!」


 また魔法が発動。花粉が全部消えちまった。


「わ、私の花粉が……」

「おいおいマジでめんどくせえな」


 ショックを受けて若干しおれる花を俺は無視して次の手を考える。


「おかしな召喚術を使いますね……言動が下劣なだけでなく外道の術師でしたか」

「おかしいも何も普通の召喚術だっての。出てくる奴らが変わってるだけで」


 女騎士は俺の力を警戒してか近づいてこない。こいつぁラッキーだ。今のうちにどうするか決めねえとな。

 五秒ほど考えて、やっぱり大した案が出てこなかった俺は普通に力押しすることにした。


「次は4号だな」

「うむ」


 俺の頭上に円盤のついた銀色の球体が現れ、眩い光を放つ。


「こ、これはっ!?」

「あっ、やめてください……」


 慌てて目を腕で覆う女騎士と光を浴びてさらにしおれる花。味方に被害が出ている気がするが、まぁ別にいいだろ。

 4号の光を浴びた人間は催眠状態となって自由を奪われる。魔法で対処しようにもすでに4号の催眠が入った後だ。

 今回は身体の自由だけ奪うことにした。意識を残したままで遊んでやらねえとな。


「か、身体が……!」

「よーし、よくやったぞ4号」

「うむ」

「や、やめてください……」


 花が不憫になってきたので魔導書に引っ込めてやる。俺の召喚物どもはみんな、腰のベルトに固定してある魔導書の中に住んでる。ここなら眩しくないだろ。


「もっと早く戻してください」


 文句は無視。今はそれどころじゃねえ。


「ひひひ。よぉし、早速だがその鎧は脱いでもらおうか」

「だ、誰がそんなことを……って、なっ!?」


 俺の指示を断る女騎士だったが、身体は勝手に鎧を脱ぎ始める。下に着ていた薄手の布服だけが残った。


「この外道、今すぐやめなさい!」

「やめるわけねえだろ馬鹿かお前。今度はそのスカートを捲ってもらおうか」


 女騎士の手がスカートの端をつまんで持ち上げる。レース生地の白い下着が露わとなった。

 何となくだけどこの手の女は黒い下着つけてるもんだと思ってたけど、そうとも限らねえんだな。


「こ、のっ……どこまで下劣なのですか、あなたは!!」

「どこまででも、だよ。この程度じゃねえんだから、騒ぐにはまだ早いぜ」


 俺は近寄って女騎士の胸を揉みしだく。鎧の上から見ていた以上にでかい。

 早速服をはだけさせて確かめる。俺の両手でも余るぐらいの大きさだ。下着をずらして直接触ってやる。


「や、やめなさいっ……やめ、て……!」

「やーなこった。げひゃひゃひゃ!」


 楽しさの余り笑いが止まらねえ。色白の肌は滑らかで触り心地が最高だ。

 揉んだり吸ったりしてたっぷりと楽しんだ後、俺はメインディッシュに手をつけることにした。


「よーし、下着を下ろしてもらおうか」

「ひっ……!」


 すっかり怯えちまった女騎士は、本人とは無関係に身体が動いて下着を下ろす。

 我慢できなくなった俺は自分も下を脱ぎ、女騎士を木に押し付けながら片足を持ち上げてやる。


「や、やめて……やめて!」

「やめねえつってんだろ!! しっかりと見とくんだな!!」


 喋るのもちょっと億劫なぐらいに俺は興奮していた。

 そしてそのまま腰を押し進めて──


 ──俺の目の前は真っ暗になった。

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