第22話:我敵工業地域撃滅セリ(3)(短編) v0.0

_エルナン・コルテス級超大型戦艦のブリッジ



 「敵艦の撃破に成功!」


 無線要員からの報告が淡々と流れていく。


 「それで、港湾施設の状況は・・・っと」


 艦長はそう言うと、港湾視閲へと双眼鏡を構える。


 「よしよし・・・もうあそこは使い物にならないな。狙いを変えろ!奥の工業地帯を焼き払え!」


 『了解!』


 艦長の合図とともに、45口径51センチ砲の角度が調整、再度どでかい砲弾が巨大な爆炎とともに発射される。


 「にしても・・・反撃と呼べる反撃が一切ありませんね」


 隣に立つ副艦長が呟く。


 「それに越したことはないさ。敵の反撃と呼べる反撃をできたのはさっきの敵船くらいだからな」


 現状敵からの反撃と呼べる反撃は先ほど一瞬で壊滅した5隻の巨大木造船程度で、他は特に攻撃らしい攻撃をこの船は受けてはいない。


 「これだと、予定時刻よりも早く終わりそうですね」


 副館長はそう言うと、袖を捲し上げ腕時計を見る。


 「それもそうだな。帰ったら一杯やるか?」


 副艦長に聞くと、遠慮した口調で言う。


 「いやいや・・・あなたには構いませんから」


 「はっはっは!それもそうだな!」



_数分後



 結局、敵の反撃と呼べるものは1度きりで、その後は一切攻撃を受けることがなく一方的な勝負で終わった。


 「敵工業地帯も海軍基地も完全に破壊・・・少なくともこれで付近の海域の安全は確保したな」


 先ほどまで敵の工業地帯と海軍基地があったところからはただ、黒い煙だけが無数に上がっていた。


 「よし!帰投するぞ!」


 操舵員に告げる。


 「船首回頭、左15度。巡航速度維持しとけよ!」


 こうして、オペレーション アイアン・ストームの目標であった上陸作戦と、敵海軍基地及び工業地帯の撃滅は無事完結した。

 


 

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