第187話 英雄に憧れる2人の子供 07



ショウとヒナタは日の出前に起き 街の門に来ていた


2人で相談して 考えて出した答えは


・・・


「来たわよ」


「うん 行こうか」


ショウとヒナタはアデルとリディの母親の前に走って駆け寄った


そして 頭を下げた


「どうしたら 英雄になれますか」 っと


アデルの母親は「アデル 分かる」っと アデルに問いかけた


すると アデルがコクリっと頷き「可愛い子を幸せにすればいい」っと


リディの母親が「リディ 分かる」っと言うと


リディが「可愛い子を守ればいい」っと


アデルとリディの母親は「正解」っと言ってクスクスと笑いだした


「まじめに聞いているんです 秘密なんですか」ショウが言うと


アデルの母親が聞き返す「誰のための英雄になるの」っと


ショウは「えっ」っと言って戸惑いながら ヒナタを見て助けを求める


ヒナタは力強く「世界中の人々を救うために英雄になります」っと


リディの母親が「それは大きな目標ね 第4の英雄より 強くならないとね 安全に強くなるために 沢山勉強しないとね」っと


ヒナタはすぐに「あなた達はこの街の人々を救いました 私達も同じことが出来るようになりたいんです」っと


リディの母親はヒナタの頭を撫でながら「私達は街の人達を救ってないのよ 私達が救いたかったのは 孤児院にいた2人の可愛い女性だけよ」っと


ヒナタは困惑した顔で「でも」っと


リディの母親が「魔物と戦うということがどういうことか分かるわよね きっと沢山の街の人達が命を落とすことになると思うわ 私達のせいでね この意味が分かるわよね」


ショウとヒナタは「えっ」っと声を出す


そして ヒナタが「分かりません」っと


リディの母親が「私達はこの街の人々を救ってはいないのよ 可愛い女性を幸せにするために この街の人々を戦わせるように仕向けたのよ」


ヒナタは困惑しながら「そんな」っと呟く


アデルの母親が「私達は弱いの 全ての人々を救うことが出来ないのよ だからね 君達には強くなって欲しい 私達が救えない人々を君達が救えるようになってね」


リディの母親が「リディ どうすればいいのか分かる」っと


リディはコクリと頷き「強くなる 困っている人を余裕で助けれるように」


アデルの母親が「アデル 余裕で助けられない時はどうしたらいいの」


アデルは「余裕で助けれないなら 逃げる 自分の命を大事にする」


アデルの母親は「正解」っと言ってアデルの頭を優しく撫でる


ショウがムッっとした顔で「英雄なのに逃げるのか」っと


アデルは「うん」っと


ヒナタも信じられないといった顔に


リディが「余裕で助けられるように今の内に強くなれば問題ない」っと


アデルが「うん」っと


リディの母親が「強い魔物から人々を救いたいなら その前に強い魔物を余裕で倒せるように努力しなさい 英雄なら負けは許されない 逃げたくないなら その前に強くなりなさい」っと


ヒナタは「でも 英雄は逃げたりは」っと


アデルの母親は「第4の英雄は毎日稽古をしていたわよ 可愛い女性を救うために努力をしていたわよ 強い魔物からは逃げるっと言っていたけど 彼が逃げたって聞いたことないけどね 君達が第4の英雄よりも大きな目標があるなら それ以上に頑張らないと 戦う前に相手よりも強くなること 勝てないなら逃げてもいいの 死んだら終わりなのよ 1人助けられなくても その後2人助ければいいの 全員を助けたいなら 強い敵が現れる前に 今の内に強くなりなさい 無理は絶対にダメだよ」


ショウが「分からない」っと


ヒナタが「私がなりたい英雄とは違う」っと


リディの母親がヒナタに「どんな英雄になるの」っと


ヒナタは「第4の英雄は魔王 大天使 竜だって倒したんでしょ あらゆる獣族も味方にした 最強の魔法使いなんでしょ 私も人族以外を倒せるようになりたい」


アデルの母親がクスクスっと笑いながら「彼は魔王も 大天使も 竜も倒してないわよ 彼は愛したのよ 魔王も 大天使も 竜も 獣族も 種族は関係なく 可愛い女性の味方なのよ」


ヒナタが「魔王を 魔王は人族の敵でしょ」


アデルの母親が「どうして」っと


「だって 魔王のせいで 世界は無茶苦茶になったのよ」


アデルの母親が「本当にそうなのかしら」っと


ヒナタは「えっ」っと


ショウ「そんなの常識だろ 魔王が魔族を率いて攻めてきたんだ 27の国の王都を支配しているじゃないか」


アデルの母親「その前に 人族が魔族に何をしたのか知っているの」


ショウ「勇者様が人族を率いて 魔族を 魔王を倒すために攻めたんでしょ」


アデルの母親「人族は攻めてもいいのかな 人族は魔族を殺してもいいの 魔族の子供を殺してもいいの 人族は獣族を奴隷にしてもいいの」


ショウは「うっ」っと言って ヒナタを見る


ヒナタが「英雄は人族でしょ」っと


アデルの母親が「違うわよ 英雄は人族 魔族 天使族 獣族等 あらゆる種族を助けるために神様からつかわされたのよ この世界の全ての種族を助けるのが英雄なのよ」っと


ヒナタは小さな声で「違う」っと言って ショウを見る


ショウも小さな声で「うん 人族の味方だと だって ・・・は」聞こえないほど小さな声で


アデルの母親がショウを リディの母親がヒナタを優しく抱きしめる


そして 2人の母親は「好きな人達を守りなさい 愛したい人達を守りなさい」っと


・・・








「ヒナタ 分かった?」


「うんん 分からなかった でも 強くならないとダメってことは分かったかな」


「そうだね 強くならないとね」


・・・

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