第106話 取り調べ




稽古をしていたら ミラベルが驚き 俺を睨み


「貴様 姫に何をした」


「んっ 何が」


「ふっふっ ばれっちゃったみたいですね」


「ああ レベルを鑑定したんだ」


「どうして レベル1だった姫のレベルが」


「ふっふっ どうしてでしょう」


「どうしてって 昨日の朝までは ありえない そもそも 王都の近くに魔物は」


「単純に魔物退治でレベル上げだよ」


「たった2人で危険な魔物と戦ったのか」


「ふっふっ ずっと空飛んでたから 危険はなかったですけどね」


「はぁ よく分かりませんが 無理はしないでくださいね」







「今日は何をするんですか」


「今日も買い物だよ 食料はいくらあっても困らないからね 美味しいお店があったら案内してよ」


「じゃあ ケーキの美味しいお店に行きましょう」




おっ 確かにいい店だね


俺がじぃーと見ていたら


「ふっふっ ケーキを買いに来たんじゃないんですか」


「えっ そうだけどね」


サリアがクスクスと笑い そして店員さんに


「よかったら 城でケーキの作り方を教えてくれませんか」


「えっ 姫様 え~と 作ってる人と店長に聞いてきますね」


「いえ あなたに教えてもらいたいんです ダメですか」


「ええっ 私でいいんですか」


おおっ 城に呼んでくれるんだ それなら


おれがサリアを指でつっつき 奥の店員を指差すと


「ふっふっ あの店員さんもいいですか」


「はい もちろんです あっ でも 売る人がいなくなるので 店長に聞いてきますね」


「あっ それなら大丈夫だよ ケーキは俺が全部買うから」


「ふっふっ だそうです 沢山作ってくださいね」






サリアの頼みを断る女性は誰もいないので


毎日 いろんな女性達が城に


サリアと一緒に料理を作ったり 服を作ったり 小物を作ったり


そして


一緒に食事して 話をしたり


俺は毎日楽しく過ごした






そして


「英雄様 こちらに」


サリアが俺を城の地下に


んっ 地下になにかあるのか


付いて行くと 牢屋が


牢屋の中には 黒い蝙蝠の羽があり 黒い尻尾のある人が 悪魔族がいた


「どうして 奴隷の首輪をしてないの」


「えっ 奴隷の首輪の効果がないんですよ」


「へぇ~ 効かない種族もいるんだね」


「邪神族の配下の種族達は奴隷の首輪が効きません 他に効かない種族は天使族と魔族です」


「じゃあ 鑑定しても何も表示されなくて 奴隷の首輪が効かなかったら 5種族ってことなんだね」


「ふっふっ 見た目で分かりますよ」




あっ これを俺に見せるために さすが サリア


一番奥の牢の中には 可愛い悪魔族がいた


「ふっふっ 英雄様に取り調べをしてもらおうと思って」


「そうだね 俺も聞きたいことがあったからね」


「クスクス ですよね 私は外に出てますので あっ ここは魔力が使えないので注意してくださいね」


へぇ~ じゃあ 魔散石の玉と同じ効果がある何かを牢に使っているのかな





「はじめまして」


「もう 何も話すことはない」


「そうなんだ じゃあ 一緒に食事でもしようか」


「えっ 何を言っている」


「食べたい物があったら何でも言ってね デザートもいろいろあるからさ」


俺は適当に色々な料理を出して2人で食べることにした


女性は戸惑っていたが 夢中で料理を食べ始めた


デザートを食べ終わると 無言だった女性が


「で 何が聞きたい」


「えっ そうだね 君の名前かな」


「リリト」


「リリトかぁ いい名前だね」


「他に聞きたいことは」


「じゃあ 好きな食べ物は さっきの料理は大丈夫だった」


「えっ 美味しかった ケーキも ありがとう」


「よかった 無言だったので嫌いな食べ物だったらどうしようかと思ったよ」


「君は人族の英雄なんだよね 君が私達の計画に気づいたんだよね」


「えっ いや ムカつく男がいたから 殴ったら 悪魔族っていう種族の人だったんだよ」


「グラムを奪う我々の計画に気づいたんじゃなかったの」


「へぇ~ そうなんだ 俺には悪魔族が何をしようが興味がないけどね」


「えっ 君は英雄でしょ 私達と戦うために神から召喚されたんでしょ」


「あれっ そうなの 俺はこの世界を楽しむために旅をしているだけだけどね」


「王女から聞いたよ 君が邪神様の4匹の眷属を倒したと」


「いや 確かに3匹は倒したみたいだけど 1匹は俺の仲間が倒したんだよ」


「君とその仲間は神から貰った武器を持っているの」


「俺もちゃちゃも特には何も 殴って倒しただけだよ」


「そんなはずはないでしょ 邪神様の眷属を倒すには 神の剣 グラムを使うしかないのよ」


「そう言われてもね まあ誰だって頑張れば倒せるんじゃないのかな」


「普通の武器じゃダメージは与えられないのよ それなのに倒す者が現われるなんて それで」


「んっ 魔物が倒されたから グラムを奪おうとしたってこと」


「そうよ 邪神の門の封印が解けるまでは 密かに活動をする予定だったのに」


「ごめんね 俺のせいで君が捕まってしまったのか 何も悪いことをしていないなら俺が言ってやろうか」


「ふっふっ 芝居が上手いのね そんな顔してもダメよ 分かっているんでしょ 私達が何をしていたのか」


え~と 何をしていたんだ う~ん


俺が考えていると


「あ~あ 上手くいってたのになぁ 気づく英雄が現われるなんて で どうして気づいたの」


んっ だから何をだ


「都合のいい教団を乗っ取り 人族が孤立するように仕組んでいたのに」


あっ そういうことなのか 確か 悪魔族がいた教団は人族が完全で 絶対 他の種族より優れているって思想だったよね


「まあ 他の英雄達も気づいてたんじゃないのかな」


「そうね 伊織って名前の 英雄の賢者のことね」 


賢者の名前は伊織なのか そういえば 勇者の名前も 聖騎士の名前も知らないや まあ 男に興味はないけどね


「だろ 敵対なんかしなくて 仲良くすればよかったのに」


「ふっふっ 私達はこの世界を支配するために やって来たのよ 仲良くなんて」


「英雄はこの世界を救うために召喚されたみたいだけど 俺は楽しく過ごす為だけに生きるつもりだけどね」


「そうやって 油断させて 密かに裏で動いていたのね 君のことはノーマークだったわよ」


「俺は関わるつもりは無いんだけど」


「はぁ もう話すことなんてないわ 邪神様の眷属の中でも強かったシルシュを倒した君がそれを言っても説得力がまったくないでしょ もっとマシな言い訳をしなさい」


女性はそう言って 俺から離れて ベットに


俺が付いていき ベットに座ると


「で いつまでいるつもり」


「えっ 今日はずっと一緒にいるつもりだけど 寝るなら一緒にね」


「はあ 私は悪魔族なのよ」


「だから あっ 俺のことが嫌いなの」


「そりゃそうよ 君のせいで 私は一生牢の中なのよ」


「そうなの 反省したら出られないのかな」


「出れるわけないでしょ って寝ないでよ」


「ダメかな」


「ダメに決まってるでしょ」










で いつまでいるの


んっ 今日はここで寝るから朝には出て行くよ


怖くないの 私は悪魔族なのよ


リリトは可愛いよ


まだ 聞きたいことがあるのね


そうだね


いいわ どうせ一生ここから出られないんだから 何でも聞いて


俺は怖いかな


ふっふっ 怖くないわよ


俺と一緒に寝るのは嫌かな


ふっふっ 嫌じゃないかも


キスしてもいい


ふっふっ 私でいいなら


俺はリリトを抱きしめ


キスを


リリトはクスクスと笑い


目的は っと


俺がリリトだよ っと言うと


微笑み 俺にキスを


そして


・・・









ふっふっ そうだったのね


何が


全て分かったわ


へぇ~ そうなんだ


ヴァルハラは君の中にあるのね


んっ 何それ


ふっふっ 邪神様に勝つつもりなの


えっ 興味がないよ 俺が興味があるのはリリトだけ


ねぇ 私を守ってくれるなら 邪神様を裏切ってもいいわよ


う~ん ここから出してあげたいけど 


それが無理なのは分かってるよ 君が望むなら邪神様と仲間達の情報は何でも教えてもいいわよ


あ~ それは興味ないよ それより ねぇ


ふっふっ 本当にここに何しに来たのよ


リリトに会いにかな


ふっふっ


・・・













「ごめん 無理だって」


「ふっふっ ありがとう 出られないのは分かっていたわよ 広くて綺麗な部屋になったし 食事も豪華になったから 私は満足よ」


「他に何か希望は」


「じゃあ また会いに来てくれる」


「もちろん それと 話し相手を用意してくれるって言ってたから」


「ありがと またね」


「その前に ねぇ」


「ふっふっ」


・・・

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