第78話 竜の巫女14



ふぁ~ぁ


フローラとアディールは既に起きていて目が合う


俺はフローラを抱きしめてキスをして


いいと聞くと


ふっふっ 私は拐われているんですよ


そう言って フローラも俺を抱きしめてきた


アディールが朝から


っと言いながら顔を真っ赤にしていた


俺が おいで 


っと言うと


……


キスを


そして


……


……









「そろそろ 私の番ですか」


ティアがテントに入ってきた


「おはよう ティア」


「騎士の皆さんが心配して 待ってますよ なので

続きは私が」


「それも捨てがたいけど 今から お風呂に入って作戦会議だよ ティアも参加するだろ」


「もっちろん」



俺達は4人で作戦会議をすることにした

フローラは盗賊に拐われたことにすること

赤竜山の盗賊で 中には街の貴族も

混じっていたことを報告

実際に確認出来ただけでも盗賊の死体の中に

貴族が2人 そして その家臣が8人いた

貴族の死体の内1人を 街に持ち帰り 

そして もう1人は赤竜山にフローラを連れて逃げたことにする

フローラと騎士30人は村に隠れて 

残りの騎士25人とアディールが街に戻り

報告と仲間集めをすることになった




フローラと騎士達には着替えてもらい

変装して村に向かう

と言っても 男の服はなかったので

装備を外してもらい

盗賊の服を着てもらうことにした



村を出発して13日目の昼前に村が見えてきた


んっ あれは


「ちゃちゃ ばにら ちょこ 盗賊が 向こうに隠れているから 注意してね」


3人はコクリと頷き


みんなを守れる位置に移動した


う~ん フローラ達のことでなくて 村のことかな


盗賊は襲ってくることはなく 村に着いた



村の入り口には 村長と男が3人待っていた


ミーユがすぐに村長の前まで走り 話を始めた


ティアが俺の横に来て

あれが 商人ですって教えてくれた

あれがか ……


俺はみんなから 商人のことを聞いていた

優しい商人で

親身になって村に協力してくれていたそうだ

商人は村で出来た作物を買い付けに来ていた

しかし商人が村に来た 翌年から

作物が育たなくなってしまったと

農業以外の方法も考えたが 商人が大丈夫だからと

村の色々な物を買い取ってくれて

食料を売ってくれたそうだ

そして お金も売るものも 底をつくと

村のために 女性を奴隷にすることを打診してきたそうだ

どの村でも 同じだった


商人が来た 翌年から全ての村で同じことが起こるなんて  めちゃめちゃ 怪しいよね


村長が俺に頭を下げてお礼を言った後

商人を紹介してくれた


俺が商人に


「あなた達が 盗賊とグルになっている商人ですか

盗賊があなた達の帰りを待ってますよ」


カマをかけてみると……

あっさりと ゲロった


「なぜ それを」


だって


「すぐに 討伐隊を派遣してもらうので

今の内に 逃げるんだな」


俺がいうと 笑いながら


「俺達は赤竜山の 赤竜盗賊団

パンセの街が兵を出すことはない」


また ゲロったよ

それも 街の誰かと繋がっているようなことまで

ゲロったよ

どうやって 正体を見破ろうか 考えていたのに

こんなに 簡単に自白するとは……


記録の玉に記録したので

これで盗賊として捕まえることが出来るよね

俺は朱殷の杖を取り出し


「ぎゃあああ~」


「俺達に手を出すと ぎゃああああ」


「待て 待て ぎゃああああ」


俺は3人の足を朱あんの杖で思いっきり叩き折った


「じゃあ 帰って ボスに伝えてよ 俺がすぐに 退治しに行くってね ちゃんと 伝えるんだよ」


3人のお金2億3千万だけ頂いて

逃がすことにした

さすが 商人だね お金はたっぷり持っていたよ たぶん この村の女性を安く買い叩くつもりだったのだろう


さて どうしようか

恐らく作物が育たないように

毒でも撒いてるのだろうが……

俺は見ても分からない

もちろん 村の人が分かるくらいなら

とっくに気づいているだろうし

パンセの街は信用出来ないし……

他の街のギルドに依頼して

専門家を派遣してもらったほうがいいのかな


まあ 判断は村長に任せるとして……


とりあえず

全員に 鉄の剣 鉄の盾 鎧 兜を渡した


「じゃあ 俺達は ちょっと出掛けてくるから

みんなは 稽古をサボらないように

それと ぜったいに冒険者にならないようにね

オークの森なら楽勝だし そこで頑張ること

いいね」


「はい 」


素直でよろしい 


「それと フローラは大人しくしててね 

俺が戻ってくるまで 村から出ないようにね


ティアは俺達と一緒に行くから 俺の背中に乗ってね 」


「分かりました」


村長から 赤竜山に近づけば赤竜が襲ってくると言われたけど 

大丈夫と言って 村を後にした



すぐに 盗賊5人とさっきの商人もどき3人が

赤竜山のほうに向かっているのが見えた

盗賊達は 商人3人をおぶって進んでいるから

かなり時間が掛かるだろうけどね



夜までに俺達はヘボミアの森の前までたどり着き

そこで休むことにした


「赤竜山に行くんじゃ 」


「援軍を連れて行くからね 」


「えっ まさか」


「そういうことだね 明日俺が援軍を連れてくるから

みんなは ここから南東に移動

俺達から距離を開けて東に移動してね」


「大丈夫なの」


「俺の逃げ足に敵うものはいないからね」


「いえ 竜のほうです」


「ああ それなら 大丈夫だよ

竜の巫女様がついているからね」


「えっ 何か分かったんですか」


「まったく まあ 予想としては 女好きの竜でティアに一目ぼれするって感じかな」


「それは あなただけですよ 竜ですよ」


「まあ それは 盗賊を捕まえて かたっぱしから

聞き出せばいいんじゃないかな」


「作戦がないんですね」


「まあね」


「信じてますけど 無理はしないでくださいね

予言書では」


「いなくならないように 気をつけます

じゃあ 今から2人で作戦会議でもしようか」


「もう」


「だめかな」


ティアは俺に抱きつき


キスを


そして


作戦会議が始まった


……

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