縁談と逃亡

彼の生活は変わらぬまま時間だけが立ち彼は縁談が持ち込まれた...


殿下(なぜ私は王の子として生まれたんだ全てを制限され今、伴侶さえも選べず全て父上の御心で私は決められていく!)

彼はうつむき涙を流していた...そして突然彼は思い立ち走りだした、部屋を出てまた別の部屋へ

殿下「カッテよ!」

カッテ「如何されました、殿下」

カッテは殿下の家臣であり彼の唯一無二の親友であった。

カッテは彼が部屋に来たことに驚いたが彼が来たことに嬉しそうにしていた

「カッテ、私はどうすればよいのだろう...もうすぐイギリスから王女がやってきてしまう私は愛する女性と結ばれる自由すら奪われてしまうのだ!」

「殿下...」

「神は私に何を望まれるのだろうか、カッテよ私は逃げ出したい、この国ではない父上の声が聞こえないところへ」

「殿下、この国を出て逃亡されると、王になることをあきらめられるのですか」

「カッテ、もとより私は...もし、父上の仰られるプロシア王が真の姿であるならば、私は王などなりたくない!カッテ、私と共に逃げてはくれまいか」

彼の眼には迷いがなったもとより彼は臆病などでは決してなかった

「もし殿下がお望みとあらば私はお供いたします」と、カッテはそれに答えた

「おぉ!カッテよ、ありがとう私の真の友」

彼らは主従あれど互いを大切にしていた


それからすぐのことであった彼とカッテは旅行先の宿にいた

カッテ「殿下、本日カイトの手引きもあって逃亡が決行できそうです。」

殿下「そうかいよいよだな」

「はい殿下,逃亡の後イギリスへ亡命する予定です」

そうして1730年8月5日早朝に逃亡計画は実行された

カイト「殿下こちらです」と、カイトは殿下を手引きする

カイトは殿下の家臣であった。彼はカイトに手引きを頼みカイトもそれを承諾していた。王太子フリードリヒは逃亡の中、高揚していた。彼はまだ未熟でこれから待っているはずの自由に歓喜していたのだ。

(私はこれから父上に王太子という鎖につながれることはないのだ)

この時期の青年には親によく反抗するものだが、最初に述べた通り、王太子フリードリヒの場合は虐待ともいえる扱いを受けていた。だが、この行動は紛れもない反抗期であり、王太子の抵抗だったのだ。


彼はこれが反抗期だとは思っていなかったのだろう。

殿下(いま私は父上の力に屈服することなく勝利しているのだ!)

王太子のそんな思いはすぐに打ち砕かれた...

計画は完全に軍に漏れており彼等は日をまたぐことなくロッホ大佐の団につかまり送還された。

殿下「やめてくれ大佐!私は王になどなりたくない!」

ロッホ大佐「殿下!馬鹿なことはおやめください。陛下がお怒りになりますぞ」

彼は父の名を出されたとき父を恨めしく思った。自分は王からの鎖から全く抜け出せていなかったからだ。

ロッホ大佐「カッテ少尉たちもなぜ殿下を危険な目に合わせたのだ。ただでさえ国家間情勢が危うく物騒な状態だというのに!」

カッテたちは黙っていた...

ロッホ大佐は軍人だが国王の粗暴さを理解していた。いや、これは大佐に限らず軍人皆が感じていたことだが、だが彼らはそれでもその粗暴さがプロシアを強化したことも理解していた。だからこそ王太子の心を理解しそれでも王の教育は必要だと思っていた。


それから間もなく王太子と少尉たちの逃亡と保護は国王の耳に入った...



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る