知りたいのは

 「あなたは何型ですか?」


 俺はただいまオーディション中だ。


「おれ? クワガタです」


 シーン


 周りの人たちは苦笑い状態。

 負けずに俺は言う。ここで負けていられない。


「ちょっともう一回聞いてください」


 俺はこの何の変哲もないこの質問にリベンジを挑む。相手はあきれた様子でもう一度質問した。


「何型ですか?」

「ガタガタ~!」

「君…」


 今度はジェスチャーまで加えて答えた。

 これで相手も満足が行くはずだ。


「なんかごめん。でもさぁ、ここそういうところじゃないからさあ」

「芸人としてやっておかなくてはと思いまして」

「結果出したいからさあ、お願いだよぉ」


 審査員医者は彼の答えをどう書くか迷う。

 自分の血液型がわかっていないわけでもなさそうだ。


 きっと彼が健康診断オーディションを通過するのは難しい問題になるだろう。


 彼は芸人魂を出すところを間違えてしまったようだ。

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