お題「春」
「泣かないで」
静かにあなたは言う。わたしの顔はもう涙でぐしゃぐしゃになっていた。制服の袖でむりやりぬぐってみるけれど、涙はあとから溢れてきて止まらない。
「もう、会えないの」
「ごめんね」
あなたは謝るばかりだった。こんなことなら――
春なんて、こなければよかった。
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