幾つか

ネミ

倉庫

騎士と呪い

騎士の家で生まれた長男は騎士Bに仕える従騎士A


騎士を目指し励む従騎士A騎士Bは高く評価して気に入っている。


戦場で騎士Bを守ろうと盾に成った従騎士は呪いが施された槍に刺された。


余裕が出来た騎士は呪いの治療を受けている従騎士の下へ急いで向かった。


従騎士の呪いを処置していた解呪師は解呪が困難な 死の呪い を解呪する術が 竜の涙 以外に無いと騎士Bへ伝えた。


呪われて意識が朦朧とする従騎士を生かしたい騎士は、「自分は家宝を使われる程のは価値はない」と遠慮する従騎士を「家族の為に生きろ」と説得して家宝 竜の涙 を飲ませた。


「全ての呪いを解きうる霊薬」と知られている竜の涙は騎士が戦場で携帯する大切なお守りだと知っている従騎士は相応しくないと思った。


生存を望みながら大切な家宝を使わせたくない気持ちを抱く従騎士A騎士Bから家宝より自分の生存を優先されて嬉しかった。


呪いの苦しみから解放されて気を失って身体が女に変わった従騎士を見た騎士B解呪師Cへ説明を求めた。


「従騎士の男に成る呪いが竜の涙で解呪されて本来の姿に戻った」と解呪師の考察を聞いた騎士Bは竜の涙が持つ強力な解呪強化から今の従騎士Aは呪われていないと考えて解呪師Cの考察が正しいと思った。


混乱を避けるために女体化した従騎士を秘匿した騎士B解呪師Cは目覚めた従騎士Aへ考察を話した。


騎士の道を失った従騎士は努めて平静を装った。


騎士B従騎士Aで居続けられない少女へ仮の名前を与えて屋敷に滞在させた。


従騎士の葬儀で従騎士A父親Eに会った騎士Bは娘は居るかと訊ねたら居ないと言われた。


父親息子の死を疑わず偽装された遺体を埋葬した。


「解かれた呪いの証明」は呪いの痕跡が無い限り不可能な事が多い。


再び性転換の呪いをかけて同一人物だと証明する方法は有るが禁止される呪術の使用を避けたい騎士Bは証明できない。


例え証明できても家族の破滅を少女が悲しむと考えると心苦しい。


隠し続けると少女Aは前へ進めないと判断した騎士から「父親から認知されなかった」と告げられた少女Aは親から見捨てられたと知って努めて平静を装ったが漏れていた。


騎士に成るために強く有ろうと我慢し続けた少女Aが騎士の道が途絶えても未だに強く有ろうとする様子を見かねて「もう強く有る必要は無い」などと言った騎士B少女Aを泣かせた。


忠義が厚く努力家で家族思いな少女が女々しく泣く姿を見て守りたい衝動に駆られた騎士Bは居場所が無い少女A居場所家や家族を作るために求婚した。


おしまい

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