悪魔が出る国3
私達は一番被害がでていると言われるホテルへ向かっていた。
結局の所、私は給料の2倍プラスと私がこの国を出るまでの宿泊費(約一週間)、食事費の無料、で仕方なく請け負ってこの仕事が始まったのだ。
ここまでしてもらえる程事態は深刻なのかな?…
これで何事もなく解決したら一年ぐらい働かなくても旅は続けられるぞ!やったぁ!…とは微塵も思えて来ない…
ホテルの場所は中央の都市から10分程歩いた所にある隣の都市。
都市の入り口の門を入って2、3分歩いたところにホテルがあった。
ホテルに向かっている間、同行者の一人、先程事務室で今回の仕事の内容を教えてくれた女性の警備員さんからサキュバスの話について聞いてみたところ、
この近辺の都市には二年程前からサキュバスが住み着くようになり夜になると男性の寝室に入り男性を誘惑して襲っているそうだ。
襲われた男性はみ皆幸せそうに半裸で息絶えていたと言う。
年齢は幅広く子供からお年寄りまで。
みんな同じ状況で夜、男性が一人でいる所を見計らってサキュバスが襲ってくるという。
最近の事件だと親子連れの事件。
話によると、襲われたのは宿泊した日の夜、夕食を取りに出かけようとした一家だが、子供は「さっきお菓子たくさん食べたから夜ご飯いらないよ。だからお父さんとお母さんで食べておいで」と言われ子供を残して夕食を取りに出かけたらしい。
一時間ほどして宿泊先の部屋に帰ってきたら子供が幸せそうに息絶えていたという。
事件当初は目撃者もおらず、原因不明の怪奇事件で迷宮入りになりそうになったとかならないとか。
それ以降もに同じような事件があったがやはり目撃者が誰一人もいなかった。
私はその話を聞き終え、そして一つ疑問が浮かんだので聞いてみた。
「あの…一お伺いしてもいいですか?…目撃者もいないのにどうしてサキュバスが犯人だと分かったのですか?」
話を聞くと目撃者もおらず被害者も亡くなっている事からどう考えても犯人を知る事ができない。
それなのに犯人はサキュバスと確定しているのはおかしな話だ。
私の疑問に返答してくれたのは隣にで歩いていたもう一人の女性警備さんだった。
親子の事件の際に、隣に宿泊していた方がベランダでタバコを吸っていたら隣の部屋の窓からサキュバスが立ち去るのを目撃したと言う。
それからサキュバスがこの一連の事件に関与している可能性があると見なされサキュバスの確保の手伝いを探していたと言う。
一通り話を聞き終えたところ私たちは目的地のホテルにたどり着いた。
私達はホテルのロビーに付き、私と警備さん達はホテルの従業員さんに今回の仕事の件について話すためにフロントに並んだ。
その時にホテル名が書かれていた看板が見えたのでどんな名前か気になったので、確認したが、確認した途端私は言葉を失った。
ホテル名は『Succubus』翻訳するとサキュバス。
これは…あれなのかな?「どうぞ悪魔さん私達を食べてください。」と公言しているのかな?
私は色々聞きたいことがあったのでホテルの従業員に聞いてみることにした。
「あの…すいません。ここのホテルはどのようなお客様がお見えになられるのですか?」
直接、従業員さんに「ここは如何わしいホテルですか?」と聞くのも失礼かと思ったので遠回しに聞いてみる事にした。
「そうですね。親子連れからご年配の方まで幅広くご利用いただいております。こちらのホテルは中央の都市から近いのでいろいろなお客様がご宿泊に来られます。」
まじですか。親子連れ?親が子供を連れてくる場所じゃないでしょう。。。
このホテル名だと親が子供連れて来る場所なくて、子供を作って親子になりそうな所になってますけど…
「しかしまれに宿泊以外の目的に来られる方もいらっしゃいます。ご飲酒された後に女性の方を連れ混むよな方々がいらっしゃいます。まるでここを如何わしいホテルと間違える方がいらっしゃるようで。」
そりゃそうでしょうね。こんなホテル名だと如何わしいホテル以外に名づ付けないと思いますよ。
「別にそれは良いですけど。」
良いのか。
「そのあとの掃除が大変なので勘弁してほしいものです。異臭などの処理をするのに我々も困っています」
異臭?なんで異臭がするの?そんな高度なプレイでもしているの?
「まれにこんな方がいらっしゃるんですよ。
終わった後、酔っったお客様はそのまま寝てしまい、朝には××をベット一面にまき散らして帰っていきます。」
いや待ってくださいよ、、、そんなこと言わないで、、、これから私そのベットで寝るんだから…
「後ほどお客様に事情をお伺いしたところ皆様「記憶がない」の一点張りで。」
そりゃそうでしょうね。たとえ覚えていても恥ずかしくて言えないでしょう。。。
「それ以降そのようなお客様の宿泊をお断りしています。」
いや。断るんじゃなくてホテル名変えましょうよそうすれば少しはそういうお客さんも減るでしょうに。
「そうなんですね。気の毒に。」
私は突っ込むのも疲れたのでこの話はここまでにして私たちは宿泊先の部屋へ向かった。
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