日本にて

2人に連れられて円盤の乗り物に乗り込んだと思ったらすぐに外に出るように言われた。

外に出てみるとどこかのビルの一室のような部屋で窓からは大都会が一望できる。

「ここが…、日本?」

日本に帰ってきたんだと思う…。

前世の自分は日本に住んでいたので懐かしいハズだ、だけど今の自分は懐かしいというよりも、映画の舞台に来たような感覚である。

「ねぇ、一つ質問なんだけど、子供の頃に見てたアニメをなんでも良いからいくつか挙げてみて」

いきなり意味不明な質問が飛んできたが、言われてみれば前世はいつの時代か把握するのには便利な目印だろう。

自分は思いつく限りにみんなが知っているものから少しマイナーな物からなるべく同世代が見ているであろうアニメを幾つか上げる。

「ありがとう、ちょっとまってね」

彼女がメモを持ってどこかへ行ってしまった。

「あの子はマジメだからねぇ」

人の上に物理的に立ってた人からすればほとんどの人がマジメだと思います。

「そうだね、君もマジメだね」

「すいません、遅くなりました」

「そんな事ないよー、いつもいつも仕事が早いねー、で結果は?」

なんだかこれから合否を聞くような緊張がある。

「おおよそ2013年前後に転生したと思われます」

「あーだいたいその頃が多いねー、他は」

「2013年頃…何があったのだろうか…。

「ココの日本とは別の日本だという事もわかりました」

え、どういう事だ?!

「まぁ、いろいろな異世界があるように日本にもいろいろあってね、でもそこまで離れた世界じゃないから普通に生活する分には問題ないんじゃないかな、でも少しずれているから、だんだんストレスが溜まって爆発した人が多いから、永住はお勧めしないよ」

つまり自分は自分の世界に帰ってきた訳じゃないのか…。

「そういうこと、改めて君に問うよ……、我々と仕事をするか、それともさっきまでいた世界に帰るか、だ一応まだ繋がっているから確実に君がついさっきまでいた世界であることは保障できるよ」



僕は……。






仕事をしようと思う。


「これからよろしくお願いします」

思えば頭を下げるのは久しぶりだ。

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