第2話 昔の執筆スタイル
どこから書けばいいでしょうか? 初めて小説を書き始めたときから? それとも、プロを目指して執筆活動していたときからかな?
そうですね。その辺りから、書き始めましょう。
ぼくがなんとなく小説家になりたいと思って、長編小説を書き、それを出版社に持ち込んでいたのは、二十歳のころでしょうか? とすると三十年前? そんなになるかなぁ。記憶が曖昧です。
当時はパソコンなんてものはないから、手書きの原稿。ワープロが発売されたかされないかといった時代でしょうか? ワープロってのは、キーボードで打ち込んだ文字を印刷するだけの機械だと思ってください。
あのころはまだ、出版社への原稿持ち込みというシステムがあり、持ち込んだ原稿を編集者が読んでくれたものです。ぼくは公募より持ち込みの活動をしていました。
一作目。超伝奇(こういうジャンルがあり、当時は流行っていました)。手書き。
二作目。スペースオペラ。以降ワープロ原稿。
三作目。今でいうライトノベル。
いまのようにパソコンにデータを残すなんてことができない時代。当時の原稿で残っているのは、三作目のワープロのプリントアウトだけです。この三作の長編のあいだに、習作含めた短編がいくつか存在します。
で、この三作目の長編。題名は「エンジェル・ジェネレーション」といいますが、長いので「AG」と略します。これはそもそも習作として書かれた小説でした。ぼくが尊敬する作家の文体を練習するために書いた作品だったのです。
当時は、原稿用紙に小説を書く前に、ノートにプロットを細かく書き込んで、どんな場面で、キャラクターがどんなことをして、重要なセリフはこれで、みたいなことを事前に決めていました。このノートが出来上がってから、それを参考に直接原稿用紙に書き込むスタイルです。
つまり、一度、ノートにプロットを作ってから、小説として書くスタイルでした。
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