予防接種

 ちなみに夫、このエッセイにも書いた発症の日の翌日には、もう比較的元気でした。

 ほんと発症の日はぐったりしてたのですけど、翌日になったら「頭痛の度合いを10でいうならいま3(夫はなぜかものごとを10でいうのが好きである)」とか言い出して、いやマジか? 昨日までオーエスでさえ飲むのがしんどそうな病人が?? って疑ってたのですが、なんかいそいそと寝床にキンドルを持ち込んで読書していたので、ああよかったわりとマジで元気になったんだな、って安心しました。



 とはいえ、それにはちゃんと理由があります。夫の、立派な理由です。

 というのはごく当たり前のことではあるかもしれませんが、夫はインフルエンザの予防接種を受けていたのです。それで、発症はしてしまっても、症状がかなり軽減されたらしいのですね。


 私のほうがどちらかというとそこはいけませんでした。じつは私、インフルエンザって二十六年間の生涯でいままでいちどもなったことがないのです。

 予防接種を受けたのも、せいぜいが高校受験と大学受験のときくらい。最後が大学受験のときだとしたら、もうずいぶんな時間が経ってしまっております。


 今回、やはりそういうのはしっかりせねばとあらためて思って、遅ればせながら夫の発症後予防接種を受けてきました。いやほんとに遅ればせながら。お医者さんにも、いまの家族感染を防ぐ効果はまったくなくあくまでも一週間後あたりに抗体ができる、これからの感染を予防するという意味ですよ、と念を押されたのですが、そこはわかっていますとお返事をして、予防接種、していただきました。


 夫もお世話になってる近所の病院に行ったので、私が妻だということはすぐわかったみたいで(というかいまさらながら「私が妻」ということの当たり前だけどすさまじいこのもぞもぞと嬉しくなってしまう違和感。そうか私は妻なのか! 妻なんですけど!!)、「ああ、○○○○(夫フルネーム)の奥さんですか」と言われました。


 私自身の予防接種なのに、私自身のことはほんと最低限で、あとは夫の体調のお話ばっかりしたふしぎ!!

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