最終話:メインプレイ:ミドル3

GM:続いてロジカのシーンですね。シーンインをどうぞ。


ロジカ:シーンイン! (ころころ)9点上昇、52%! 荒ぶってるな……。


GM:さて、探偵事務所にて。ロジカの正面に腰掛け、僅かに思い悩むような表情を浮かべてからフィリップは切り出す。


フィリップ(GM):「結論から言おう。Rメモリを止めると僕は消滅する」

ロジカ:「……なっ。えっ、えっ!?」

フィリップ(GM):「僕はオモイデ様の能力によって再生された記憶……そしてRメモリの力もまたオモイデ様に由来するものだ。

 全てのRメモリを機能停止させるには、オモイデ様の核を破壊する必要がある。それはすなわち、オモイデ様を殺しその力の発現を止めるということだ。

 君の思考速度なら、もうわかっただろう? オモイデ様の核を破壊すれば、当然、その能力によって黄泉還った僕も……この世から消える事になる」

ロジカ:「…………」


 しばしの沈黙。自らが口にした真実がロジカに浸透するのを待って、フィリップはさらに言葉を紡いでいく。


フィリップ(GM):「この事実を伝えるか、正直迷った。真実を知ったことで君の決意が鈍る事を、僕は恐れた。

 それでも君はそのクロスに誓ったね。何を賭してもRメモリを止めると。この街を守ると約束してくれた」

ロジカ:「そ、それはそうだが……!」

フィリップ(GM):「どうか迷わないでほしい。君の志を……師から受け継いだという正義を最後まで貫いてほしい。

 それが僕……相棒のフィリップからロジカ・ミリターレに託す最後の依頼願いだ」


 そこまで告げて、フィリップは傍らに置いていた白紙の本を手に取る。


フィリップ(GM):「長くなったね、話を変えよう。目暮警部から君にメッセージを預かっている」

 元警察バディのオープニングで描写したメッセージの存在を伝えよう。

ロジカ:視線を落とし、メッセージの内容を改めて。

「……招集の件、確かに承った。だが……」  キッと顔を上げる。

「ひ、卑怯じゃないか! 先に言質を取ってからそんなことを言うなんて!」

フィリップ(GM):「……悪かったとは思っているよ」

ロジカ:「他に方法はないのか?」

フィリップ(GM):「僕が調べた限り……可能性は、ゼロだ」


 話は終わりだと言うように立ち上がると、フィリップは戦車の格納庫へと足を向ける。


フィリップ(GM):「さあ、向こうは僕たちをご指名だ。迷える依頼人を助けることこそ僕らの使命。彼らと合流し、準備に取り掛かろう」

ロジカ:「待て。一つだけ言わせろ」

フィリップ(GM):「……何だい?」

ロジカ:記憶を過ぎる、強襲作戦の結末。涙を堪えて彼の亡骸を抱えた時の、あの重さ……。

「……何かを殺して、犠牲にして、それで救われるものなんか、あるはずないんだ」


 ロジカの脳裏に、師である“彼”の言葉が響く。


L'importante e` non大事なのは arrendersi mai. 決して諦めないことだ。Finché c' è vita,生きている限り、 c' è speranza.希望はある


ロジカ:「私は……諦めない。諦めてなんか、やらないからな!」

 そう告げると、目元を軍服の袖で拭い出立の準備に取り掛かる。

 そうだ、それともう一つ。今のうちに、こっそりコーヒーカップの言葉の意味をネット検索しておきます。


 明かされた衝撃の真実。ロジカは『諦めない』という自身の言葉を貫くことが出来るのか――。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る