第3話:メインプレイ:ミドル11-1

GM:次は最後のミドルです。全員登場でお願いします。


ロジカ:シーンイン! (ころころ)6点上昇、88%!

守矢:シーンイン! (ころころ)10点上昇……「エナヴェイトD」使って出目を1に変更します。これで96%!

真白:シーンイン! (ころころ)5点上昇、84%!

クラウ:シーンイン! (ころころ)8点上昇、84%!

ロボ子:シーンイン! (ころころ)5点上昇、83%!


GM:ではGMからのアナウンス……の前にロジカがお話を希望しているようなので、その場面からスタートしましょうか。


ロジカ:うむ。その前にGMよ――。

GM:はい、なんでしょう。

ロジカ:ドヤ顔したいからドヤ顔できそうな秘密情報とか《インスピレーション》できない?


一同:(爆笑)


GM:そう来たかぁ……(笑)

 そうですね、では「幸也が誰からRメモリを手に入れたか」などいかがでしょう。

ロジカ:よし、それだッ!

フィリップ(GM):NPCアシスト:《インスピレーション》を宣言。

ロジカ:幸也が誰からRメモリを入手したか、お答え下さい。

GM:承知しました。それでは……。


ロジカ:なるほど。では、ロジカは治療を終えた警察バディのところに歩み寄り。

「さて、本命は近いぞ」

 そう、静かに告げる。

守矢:「一応、聞いておこうかネ。なんせ君の直感は気持ち悪いくらい当たる」

真白:「本命……ブラッキーのヘッドのことですか?」

ロジカ:「……そう。ブラッキーのボス――君の知り合いにね」

真白:僅かに目を見開く。

「…………どこでその情報を」

ロジカ:「私は最初から辿り着いていたのだ、黒崎幸也に。だが、今重要なのはそれではない。

 幸坂真白――貴様に聞いておかねばならないことがある」

真白:「…………」

 先を促す。冷や汗が一筋、頬を伝う。

ロジカ:「この事件……貴様は警察のヒーローとして挑むのか、それとも一人の人間として彼に相対するのか」


 一拍を置いて、ロジカの緋色の眼光が真白を射抜く。


ロジカ:「答えよ」

守矢:「…………」

 黙って答えを待ちます。

真白:僅かに瞑目するも、ロジカの目を真っ直ぐに見て答える。




真白:「どちらもです、ロジカさん。『幸運制限』リミテッドブレイクとして彼を倒し、『幸坂真白』として彼を助けます」




ロジカ:「どちらも……と来たか。ふ、なるほどな……ふふふ」

真白:「ふふっ。ヴィランは欲張りなんですよ、ロジカさん」

ロジカ:「情で握る銃は弱い。銃口が揺らいでしまうからな。しかし……揺らぐ情でなければ、『人間』を助けることは出来ん。

 ――どうやら、良い相棒バディを持ったようだな。幸坂真白――」

 と、ちらりと守矢を見る。

真白:「――はい!」

守矢:「君に言われるのは癪だが、悪い気はしないネ」


 その答えに満足気に頷き、ロジカは一同を見渡す。


ロジカ:「では、その決断に至った諸君にプレゼントだ。クラウとロボトも聞いてくれ」

クラウ:「……何だ。何か重要な情報でも手に入れたのか?」

ロボ子:「?」

ロジカ:「クラウの明察どおりだ。良いことを教えよう。この事件でRメモリをばら撒いたのは――『ユートピア』だ」


 ユートピア――ロジカの口から明らかになった黒幕の名に、一同の顔に緊張と驚愕が走る。


ロジカ:Q.どこで聞いた? A.さっきGMが教えてくれた。

GM:これは酷い(褒め言葉)


真白:「(ユートピア……こちらの捜査でも上がった名前ですね、守矢さん)」

守矢:「(そいつがこの一連の事件の黒幕と見て間違いないネ)」

ロジカ:「ユートピアは、氷野と冬堂、“インテリジェンス”を狂わせた先の事件の元凶でもある……俄然やる気が出てきただろう、警察も、UGNも」

クラウ:「ユートピアだと? ふむ、Rメモリの元締めか。そうだな、これはやる気を出さざるを得んだろう。

 しかし、お主。そんな情報をどこから仕入れたというのだ? 警察やUGNですらまともに掴めんものであったというのに」

ロジカ:「ユートピアの存在は、イタリア政府にとっても頭痛の種、ということだよ。この私が動くほどにな」

真白:「……なるほど」

ロボ子:「相当、巨大な存在みたいだね。理想郷を名乗るだけはある」

クラウ:「なるほどな。これはお主への評価を改める必要がありそうだ」

守矢:(というか、なぜこの情報をロジカくんが……いや、相棒フィリップの方か。末恐ろしいネ、全く)

フィリップ(GM):「ふふっ。申し訳ありませんが、あまり詳しいことは。こちらにも色々と秘匿義務がありますので」

ロジカ:「では、そろそろ行くとしようか」


 戦車に乗り込み、発進直前。ロジカは真白に短く声を掛ける。


ロジカ:「――真白」

真白:「? なんでしょう」

ロジカ:「我々はヒーローだ。無法者ではない。その引き金は重く、責任が伴う。

 今回のような状況ではなおさら、迷い、躊躇ためらうはずだ……そんな時は、守矢と一緒に引き金を引け。悲しみも喜びも、責任も分かち合え――」




ロジカ:「――それが相棒バディだ」




 その言葉を最後に、ロジカは廃工場の奥へ向けて戦車を前進させるのだった。

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