第3話:メインプレイ:オープニング1

GM:というわけで、まずはロジカのOPですね。登場をお願いします。


ロジカ:シーンイン! (ころころ)4点上昇、45%!


GM:最近、君は寝不足気味だ。というのも、夜な夜な近所をバイクで暴走する不届きな輩が現れたのである。

 F都の風が運んでくる噂によると、どうやら近隣の不良グループに新たな勢力図が生まれているらしい。

 ともかく。今日も君はミリターレ探偵事務所にやってきた。ところが何故か看板が布で覆われ、見えないようになっていますね。

 君がそれを不審に思っていると、事務所の中からフィリップが現れる。


フィリップ(GM):「やあ、ロジカ。バッドモーニングだ。君に残念な知らせをしなければならない」

ロジカ:「……どうしたんだ一体? ただでさえ最近、寝不足でバッドな気分なんだが――」


GM:そうして、フィリップが看板の覆いを剥ぎ取ると、そこには。


『ミリ B-Lucky! 事務所』


GM:ミリターレ探偵事務所と書かれた看板を上書きするように、黒いスプレーで汚くB-Lucky!と落書きがされている。


ロジカ:「な、な、な……」


 落書きされた看板を見上げ、ぷるぷると肩を震わせるロジカ。やがてそれが収まると――。


ロジカ:「最近騒いでいる不良グループの仕業か」

 驚くほど静かな声音で問おう。


クラウ:あーこれ一番怖いパターンのキレ方だ……。


フィリップ(GM):「おそらくは、ね。最近、夜間の暴走を繰り返す輩がいるとは思っていたけれど……まさか、こんな頭の悪い形で迷惑をかけてくるとは思わなかった」

ロジカ:「そうか、ならば……許しては、おけないな」

 フィリップを振り向いた緋色の目には、くらい炎が灯っている。

 そして宣言の後、ロジカは急いで事務所に入る!


 怪訝な顔のフィリップが後についていった先で、ロジカはというと――。


ロジカ:照明を落とし、カーテンを閉め切って、災害時用のろうそくを灯す。


一同:なんか始まった!?


ロジカ:闇の帳に浮かぶのは、ロジカの怨恨に満ちた表情だ。

「なあ、フィリップよ――」

 頑張って低いがらがら声を出しながら、ロジカは問う。

フィリップ(GM):「……なんだい、ロジカ・ミリターレ」

ロジカ:「我が事務所の看板に泥を塗った行為は許しがたい——その罪、ダンテの神曲に謳われる地の獄の遍参にて清算されるのが筋とは思わないかね?」

フィリップ:「……ああ、ロジカ。僕も同じ気持ちさ。これは宣戦布告だ。虎の尾を踏むとどうなるか、お馬鹿さんたちに教えてあげようじゃないか」

ロジカ:「よかろう。alea iacta est賽は投げられた。目にもの見せてくれようぞ……」


ロボ子:フィリップもノッてあげてるのがもう可愛くて仕方ない。

クラウ:怒りのあまりに中二病が天元突破してる……。

真白:“頑張って”低い声出してるあたりがやけにかわいい。

守矢:看板にスプレーかけられてブチ切れる(自称)トップヒーローがいるらしい。


ロジカ:「あ、でも不良を相手にするのは怖いな。きっと未成年なのに煙草とか吸ってるぞあいつら……」


クラウ:真面目か! いや、うん、真面目か……。


 しかしその時、ロジカに電流走る――!


ロジカ:「……ふふふ……一つ、策が浮かんだぞ……!」

フィリップ(GM):「ああ、まったく。君の天才的な頭脳には敬意を表するばかりだ。聞かせてくれないかい?」

ロジカ:「ふふ……ふははははは!」

 闇の中で哄笑し、そして。

「ずばり――警察にチクる!!!」


ロボ子:真面目なんだよぉぉぉ!!!

真白:!??!


フィリップ(GM):「なんてことだ……今日ほど君を恐ろしいと感じたことはないよ」

ロジカ:「Rメモリが関わってるとか何とか言っておけば、UGNの連中も動くだろう。完璧な計略だ……!」

フィリップ(GM):「いやはや、まったく……ゾクゾクするねぇ」

 と言いつつ、ビデオカメラを取り出す。

ロジカ:「これで私は矢面に立たず、奴らをぎゃふんと言わせられるぞ。まさしく地獄の傀儡師、我が灰色の頭脳が恐ろしい……!」

フィリップ(GM):(●REC)


 中二病真っ盛りの“闇落ち”ムーブをかますロジカにビデオカメラを向けるフィリップ。しかし当の本人は――。


ロジカ:「差し当たっては、通報のために情報を集めるか。出立の支度をしろ、フィリップ!」

 完全に自分に酔ってて気づいていない!


ロボ子:何気にこれまた、適当なこと言って本当にRメモリ関わってた案件なのでは?

クラウ:あり得るから恐ろしい。


フィリップ(GM):「ああ、了解した。だがその前に――」

ロジカ:「む?」

フィリップ(GM):「汚された看板だけ、綺麗に戻しておこうじゃないか」

ロジカ:「……そうだ、な。私としたことが、怒りで我を忘れてしまった……」


 肩を落とすロジカに、フィリップは静かに笑いかける。


フィリップ(GM):「なに、気持ちは察するとも。こういう時に冷静でいるのは僕の役目さ」

ロジカ:「今の私は、さながらネメシスの化身が如き……頼むぞ、相棒……」

 そんなこんなで、看板を綺麗にして出立。シーンエンドで。

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