第43話 DVDをばら撒く新入社員
お店に50歳前のオヤジが突然配属された。
本部の役員がそのオヤジを連れてお店にやってきた。
「今日からこの店で面倒みてくれ。いろいろ経験を積んだ人なので店にもプラスのなるだろう」などと役員は言う。
そのオヤジは取引先で大手メーカーの支社長さんの弟らしい。
ある意味、縁故入社だ。
いろいろ経験を積んだというが、どこの企業も務まらなかったから兄である支社長さんが不憫に思い、本部の役員に相談して、人引き受けてもらうことにしたのだろう。
でも、なぜうちの店なのか?
それもそのオヤジの自宅から近かったという理由だった。
自家用車で出勤するからお店のお客用駐車場に停めてもいいことにもなっていた。
ええ??
「死ぬ気で頑張ります!」と挨拶されても戸惑う店長。
取引先の支社長さんはお店にもよく廻ってきており、店長や従業員とも面識があった。
邪険にはできない。
給料は取引先の支社長の弟だし、50歳前だし、それ相応金額になるだろう。
人件費が嵩む。
前職は現金問屋?バッタ屋?
胡散臭い仕事のようだ。
同業種で働いた経験もなく、現実的には50歳前のオヤジが新人ということで、息子のような年齢の社員やバイトに仕事を習うことになった。
この歳になるとなかなか仕事内容は身に付かない。
商品知識や接客対応など、厳しい状況だ。
しかしすぐに息子くらいの歳の差の従業員たちとは仲良くなったようだ。
みんな「オヤジさん」と呼んでいる。
従業員どうしのコミュニケーションがうまく取れているのは店長としてもうれしい。
でも、仲良くなったきっかけがね・・・・
そのオヤジが、現金問屋時代に顧客にサービスで渡していた裏ビデオを従業員の男たちにばら撒いていた。
裏ビデオ欲しさに従業員たちはそのオヤジに優しくしているような・・・
出勤に使っているオヤジの自家用車のトランクには裏ビデオである大量のDVDが入っているとう・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます