お店の話(超!暗黒時代)
三十六太郎
第1話 元旦なのに最低賃金なのよ!
この数年、小売りやサービス業では従業員の働き方改革のもと、年末年始は営業時間を短縮したり、休業日にあてたりする企業が増えている。
ほとんどのデパートや大手の小売りチェーン店は元旦は休業日。
それなのに・・・!!
オーナー社長でやる気満々な中小企業の小売りチェーンでは、大手が休んでいる間に稼ぐとばかり通常営業。
そんなチェーンは若い店長が多く抜擢され、平成も終わろうとしている現在でも、根性論や頑張った後の未来に目を向けろなどとマインドコントロール下におかれ、日々長時間労働させている。
年末年始、学生バイトが実家に帰省したり、主婦パートも旦那に合わせて長期で休む。
シフトが回らない・・・
店長と残された社員、そして、シフトに自由が利くフリーターのバイトだけの最少人員体制での営業となる。
店長はじめ社員も、オーナー社長にとって都合のいい「名ばかり管理職」にされ、残業代もつかない。
そして、バイトは採用されてから永遠に最低賃金で雇われている。
昇給は行政が最低賃金をアップさせたときだけで、本来の昇給なんぞ何もない。
気の利くオーナー社長なら、年末年始手当を社員やバイト、パートへ支給してくれるが、そんなのものすら存在しない。
満足いく年末年始出勤手当が支給されるのであれば、この時期に出勤するバイトやパートも出てくるかもしれないが、年末年始にわざわざ勤務しても何のメリットもない職場だからみな敬遠する。
社員も年末年始のどこかで休みたいという希望を持つ。
だからさらに人員体制が極限まで少なくなる。
今日は1月1日元旦。
営業時間は朝の9時から22時。
マインドコントロールされたやる気満々の若い店長さんと、ババくじ引かされたフリーターのバイト君の2名体制で1日過ごす。
もちろん、バイト君は最低賃金で元旦出勤なのよ!!!
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