一億の要素と一の敗因

貴方の『好き』を得るには

何が足りなかったのか、と

未だに考える


可愛げかもしれない

素直さかもしれない

純朴さかもしれない


貴方の前ではつい照れて

思ってもみないことを言ってしまう

それが刺々しく映ったかもしれない


けれど、やはり

思うのだ


貴方の『好き』を得るには

きっと私は私ではいけない

私が私で無くなることでしか

貴方の『好き』は手に入らない


何も卑下したいわけではないのだ

ただたまたま、貴方の好みに

私がそぐわなかった

それだけ


そんな小さな偶然だ

それが大きな綻びだ

そう、それだけ


だから私は仕方なかったと思う


そうして、密やかに

貴方から身を引くのだ

そうして、貴方との

気のない会話をただ楽しむのだ

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