臆病の

ふとした瞬間に

ずいぶん臆病になった自分に気づく


数ヶ月前までは

当たり前にできていた行為

それこそ安心してできた声かけ

それすら怖がる自分がいる


どうしてこうなってしまったのだろう

どうやったら前みたいに話せるだろう

考えれば考えるほど

嫌になって

縮まって

「 」

君の名前さえ呼べない


それが好きなのだろうか

これが恋なのだろうか


気にして

目で追って

話しかけらなくて

落胆して

肩を落として


これが本当に恋なのだろうか


いやでもわかってしまう

君の気持ち


ずっとわかっていた

君の気持ち


信じられるし

信じたくない

一縷の望みくらい

あるんじゃないか


そんな馬鹿げた妄想も

おあつらえ向きの筋書きも

好きになればなるほど

膨らんでいくものだ


好きに大きさはない

好きに前後はない


だけどわからない


君を想えば想うほど


涙がこぼれて

悲しくなって


臆病という闇を抜け出したい

臆病という盾を手放せない


ああ

これが好きなのだろうか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る