夢見心地


貴方が点前をしている

唯一見つめても許される時間

凛と進める貴方を見ていて

いつもなぜ好きなのだろうと思う



横顔を見つめ

なぜ

指先を見つめ

なぜ

瞳を見つめ

なぜ


抜群にイケメンなわけではないし

抜群に優しいわけでもない

だけど不思議と好きなんだ

なぜか惚れていたんだ



棗を扱うリズムが好き

水指から離れる手が好き

お茶を点てる横顔が好き

礼をするときの指先が好き

先生と話すときの笑顔が好き


好きな理由はわからないけれど

好きな所は沢山見つかる



拝見問答で他の人と異なって

貴方だけは真っ直ぐ見つめてくる

恥ずかしいけれど貴方を見たいから

頑張って見つめ返してみる


そんな瞬間も


好き



一つ一つの好きを集めて

私の心に閉じ込めて

貴方への愛が完成する


きっと惚れるってそういうこと



理由なんてわからないもの

いつのまにか好きになっているもの


ただただ好き

それだけなの

たぶんね

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