思考の湖

一度思考を始めると

私はどっぷり浸かってしまう

たとえちいさなきっかけでも

周囲の音が小さくなって

私はどっぷり浸かってしまう

広くて深い思考の湖に


名前を呼ばれてはたと気づくと

すっかり時間が進んでる

本当は少し周囲の音が

聞こえているのだけれども

その水の美しさに

どうしようもなく惹かれてしまう


強い意志があるならば

きっと抗うことはできる


だけどやっぱりできやしない


湖に浸かれと言われると

どうしても抗えない響きがある


その言葉に従えば楽になれるから

私はやっぱり従ってしまう


そもそも湖に浸かるまでの間

そんなことを考える暇はない

湖から出て初めて気づくの

『私は一瞬で浸かっていたんだ』


私は抗えなかった

私は無意識に行っていた


やめたくともやめられない

やめようとも思わない


たとえ授業を聞き逃しても

たとえあとで後悔しても


思考ってそんなものでしょう

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