第65話 準備 6
なんとかレアは、ラウシャに頼まれた乾物の鑑定と絵を描き終えた頃、ナナカの方はダンジョンに潜る為の、全ての準備を終えて雲の森のダンジョンに出発したと、聞いた。
少し早く出たのでは?と、聞けばテイム出来そうな蜘蛛を、希望する現地に居る仲間にテイムさせるようだ。
蜘蛛の中立地帯を案内するのは、ナナカの蜘蛛が先導するそうだ。
レアは知らなかったが、ナナカの蜘蛛はナナカだけでなく、ラウシャや他のエルフ仲間との意思疎通が出来た。
エルフ族だから、出来たと言う事らしい。
「種族別特技ってのかしらね?」
木々が多い場所に、生息する敵対しない知性ある生物や魔物なら、エルフ族は交流できるようだ。
これは特にスキルとはではなく、エルフの血が流れている者なら比較的簡単に使えるらしい。
エルフ族の血が、流れている自覚に乏しいレアもいずれは出来るのではと聞いた。
ただ魔力操作が、関係しているとも聞いたがその辺の詳しい説明をされても、レアには分からない。
人族も、テイムした物のマスターに、なれば意思疎通は出来る。
エルフ族より、魔力操作に時間がかかるから、テイムレベルが低い間は、念話出来るのがマスターのみなのでは、と言う意見のようだ。
絶対にこれが正しいとか、そう言った決まりはないし、個人の資質も関係してくるから、はっきり説明出来ないとも言われた。
「そうなると、私は?」
「テイムが上手く行けば、秘密の部屋で待機しているミネルバが、子守ついでに知らせるように頼んであるから、ダンジョン用の装備に着替えてここで待機ね」
装備は先に、店から何着か購入してくれたようだ。
料金はいらないと言われた。
「これでも、まだ足りないから遠慮はなし。本来なら私たちが、レアちゃん引き取って一緒する筈だったのよ」
「両親亡くしたショックで、おかしくなってましたしね」
あの当時は仕方なかったと、実際は前世まで思い出して混乱していただけだったが、転生者だとなるべく知られたくはない。
「とりあえず、持ち物確認とダンジョンの魔物の資料。こっちは行く前までに読んでおいてね」
資料は、30階層までに出現する魔物と、ドロップした物に採取出来る物が書かれていた。
「虫系がやっぱり多いのかな?」
下に行くほど、蟻系が多く種類も多岐に渡るようだ。
「20階層より下が、鉱物蟻って言うのが増えるみたいね。ここより下の情報は他にはもらさないでね」
資料は冒険者ギルドから、密かに借りた物のようだ。
「10階層まではレベル低い冒険者でも、余裕なのは食材になる物が多いからかぁ」
屋台で見たダンジョン産食材は、この階層のどれかで取れるようだ。
三つ目ラット、飛びカエル、水コッコ、丸ラビと肉をドロップする魔物もいるようだ。
「それより下は、毒持ちとか状態異常にするスキル持ちの魔物が増える」
罠系は、落とし穴が多い。
「レアちゃんのレベル上げは、10階層までのどれかですると聞いたわ」
入ってみて、状況しだいで決めるそうだ。
「本来、貴族の人とかがレベル上げさせたい時にやるやり方でレベル上げね」
レベルの低い者を、簡単にレベル上げさせる方法があるらしい。
狡いとも言えるが、貴族から依頼として冒険者ギルドに依頼がくるのも珍しくない。
「幸い、アイテムポーチもあるから余分に色々と持ち込める」
「そうですね。アイテムポーチがあって本当、良かった」
アイテムボックスもレアは持っていたが、両親の遺品であるウエストポーチを持っていくつもりだ。
「ベルトは、こっちと交換して。これポーチの固定と反対側にポーション差し込める個所があって、5本まで差し込み可能よ」
ポーチから取り出す手間がかからず、使いやすくした物のようだ。
とっさに怪我した時など、直ぐに取り外せるようにした物だが、容れ物が割れる危険もあるので、余分にポーチの方にも入れておくように言われた。
「ポーションはこれで良いとして、どうやって私のレベル上げをするんですか?」
前世のオンラインゲームとかの、ヘイトを利用して、似たような事するのかな?と思うがよくわからない。
「そうね。レアちゃんだと、鑑定使えば見えると思うけど、魔物寄せのスキルがあるの。それを使って寄ってきた魔物を、倒してもらうって感じだと思うわ」
スキルを持つ人物が、分かった場合は内緒してねと言われた。
あまり他人に持ってる事を、知られない方が良いスキルらしい。
確かに、好きに魔物を呼び寄せられるなら、誰かに魔物を好きなよう押し付ける事も可能だろう。
「大丈夫です。人物鑑定は、本人が依頼でもしない限り、私が視てばらす事はまずないです」
たまに自分の興味本位で、道行く人を鑑定してしまう事はあるが、スキルまでは見ないようにもしている。
レア的に珍しい種族の人や、体の状態(病気や呪いと言った異常)を鑑定で視るくらいだ。
孤児院では、キャスティの鑑定結果がイレギュラーだったから、とりあえずセーフだった。
鑑定は使うほど、性能が上がるので無意識に鑑定を使ってしまいがちだが、して良いことと悪い事の分別はある。
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