始まりは一枚のスカーフ

深緑 瑠璃

第1話  スカーフ

若者で賑わう渋谷の街 道玄坂


店先で売られていたスカーフが

なぜか忘れられなくて

三度みたび訪れた小さなブティック


あれは

冬も間近い秋の夕暮れ


若い男性店員の優しいお世辞が

心に深く響いた


素敵な女性には

地味なスカーフがよくお似合いですね


この出逢い

もう40年も前のこと…

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