第5話 登場人物一覧 その4 高梨 玲人/永瀬 真紀

高梨たかなし 玲人れいと


 阿部くんと並んで、成海隆一のもう1人の同性の親友。

 かつて成海隆一が高校1年生だった時のクラスメートで、3年生に上がった今は、隆一の隣のクラスである3年7組に所属しています。

 部活は推理小説研究部に入っており、略して推小研の初代部長をしています。

 身長は隆一とほぼ同じで、168センチ前後、中肉中背です。

 誕生日は遅生まれ。


 高梨たかなし玲人れいとくんは、酷くルックスの良い男子生徒として、或いは、これまでに学校で起きた幾つかの事件を解決に導いた名探偵として、更には、推理小説研究部、略して推小研の部長として、舞台である県立東浜高校の校内では、知らぬ人はいないレベルの有名人です。

 性格は典型的な人嫌いで、真面目かつ実直。

 堅物かたぶつな為、男女を問わず、付き合う相手は慎重に選ぶタイプです。

 その為か、他人とのコミュニーケションがあるシチュエーションを嫌い、学校内では基本的に無口で、常に枯れた様な不愛想な表情で過ごしています。

 交友関係も、先生と、ごく限られた親しい友人としか喋ろうとしません。

 もっとも、この事は有名人である彼なりのトラブル防止策なのかもしれませんが。

 主人公の成海隆一くんとはクラスが別である事もあり、彼の所属する3年7組にも何人かの友達はいるのですが、1年生の時から知り合っている成海達ほどには、深いレベルでの関わりはしていないようです。

 高梨くんは、単に学校内で過去に起きた事件を解決した事がある名探偵と言うだけで無く、元来の推理小説好きが高じて、2年生の秋に元々所属していた文芸部を抜け出し、東浜高に存在する文化部の中で最も新しい部である推小研を作って仕舞ったと言う、ヒストリー・メーカーな存在でもあります。

 仲間を集めて事を起こすなどと言うのは、普段の彼からは考えられ無い行動ですが、彼の古巣であった文芸部の現・部長である江崎えさき雪重ゆきえさんと、その当時、一悶着ひともんちゃくあった事が原因らしいと、成海達など彼と親交のある人々の間ではささやかれています。

 が、春先に起きた事件以後、江崎さんとはややよりを取り戻しており、この期間中に何か仲直りする機会があったのかも知れません。

 勉強の成績は本当の意味でのトップ・クラスであり、後述する江崎さんと同様、総合成績の学年順位は上位1桁台から下った事はありません。

 そんな成績優秀かつ、集弾をまとめ上げるリーダーシップと実行力を兼ね備え、更には品行方正で生真面目を絵に描いたような性格をあわせ持った彼の存在は、学校側としても期待の星です。

 成海達が2年生だった年の秋頃、彼が現在、部長を務めている部活である推小研を首尾しゅびく立ち上げる事が出来たのも、そんなこれまでの功績による部分が大きいと言えます。

 彼は推小研の部長をしていると言う以外に、生徒会や委員会活動などで何か重要な役職に就いている訳ではありませんが、その信頼性の高さも相まって、クラスや交友グループなど集団の意思決定に影響を及ぼす強い発言力があり、時には助力を求める組織の規模によっては、学校全体の動きすらも左右する場合もありるキー・パーソンと言えます。

 そんな訳で、或る意味では、彼はスクール・カーストの真の王者とも言えるでしょう。

 そんな高梨くんですが、成海香織さんと同じ1年生の双子の可愛い妹がおり、彼はそれぞれ下の名前で、早苗さなえ香苗かなえと呼んでいます。



永瀬ながせ 真紀まき


 推小研の創部当時に入部し、現在も在籍している、部内唯一の2年生。

 視力が悪く、眼鏡を掛けています。

 身長は153センチと香織さんと同じくらいで低めであり、やや細身です。

 誕生日は早生まれ。


 永瀬さんは目立つタイプではありませんが、物腰柔らかな言葉遣いとその礼儀正しさは、一部の男子の間で人気がある様です。

 部をまとめ上げて行くには、ややおっとりとしたタイプですが、成績は良く先生の覚えも良い優等生グループに属する女子生徒ですので、推小研の次期部長を務める事は、部内ではほぼ確定事項の様です。

 部誌に寄せる作品の作風は、時代設定が明治から昭和に掛けてである事が多く、歴史ある大邸宅を使った殺人事件が中心で、発生した事件の派手さに比較して、現実味に重きを置いたトリックを好んで書いています。

 美術部の部長と兼部している、3年の部員の桧藤ひとうさんとは、お互いに似たタイプな為か、非常に折り合いが良く、彼女が部室に来る事がある時には、2人で良く話をしています。

 実家はそこそこ裕福なご家庭で、両親はちょっとした実業家であり、多角経営の1つとして、幾つかのチェーン・スーパーの他に、コンビニエンス・ストアなども経営している様です。

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