クエスト6-11 混沌より出でし怪物

 





 ペペロ村。










 目の前には、ささやかながらかつて交流のあった村人の少年ベレンの変わり果てた姿と、それを貪り食う異形の魔物。







 それは機械混じりの黒い身体からはタールのような黒い液体を垂れ流し、身体の両脇には機銃のようなものを備える。


 触手を纏めたようなシルエットの4本足で立ち、長い尻尾を備え、血で濡れた口からは舌と思われる真っ赤な器官をくねらせている。






 エイリアンとサイボーグを混ぜた、犬のようなシルエットの魔物。

 大きさはズズロウラよりも一回り小さい。











「縺ク縺ク縲√d縺」縺ア繧企」溘≧縺ェ繧芽i縺ォ髯舌k縺ェ」










 咥えていたベレンだったものを噛み砕き、咀嚼し、鳴き声にしてはあまりに金属質な声を上げる、未知の怪物。







 事態を理解するのに、僅かとはいえ普通に言葉を交わしていた存在が無惨な姿になった事実を受け入れるのに、少し時間を要した。









 人間が食われる瞬間を見て、平気でいられるわけじゃない。

 だが、今は衝撃を受けてる場合じゃない!






「タンデ! ズッカ! リズ!」

「シンヤ! ズッカとリズが変だ!」

「何!?」


 振り向くと、ズッカは顔を引きつらせ、リズは涙を流し、震えながら首を横に振る。




 様子のおかしい2人を見て、メアシスさんと初めて会った時に聞いた事を思い出した。










 異形の魔物。








 見ただけで精神がおかしくなるおぞましい存在。

 その影響は保有する魔力が潤沢なほど大きくなる……だったか。




 間違いない、こいつの事だ。

 ズッカとリズに比べれば症状は大分軽いが、タンデの表情も少し苦しそうに見える。







「タンデ、2人を頼む! 俺はあの子達の救出に向かう!」

「頼むぜ!」

「おう! ファルコンソード!」






 2人をタンデに任せ、ファルコンソードを出す。





 まずはあの魔物の前にいる2人を安全な場所へ運ぶのが先だ。





「プッシュ・ウィンド!」





 プッシュ・ウィンドの力で一気に加速し、ファルコンソードを送還する。









 村の子供のグルケとランシアに黒い牙が迫る寸前、2人を抱えて滑るように異形の魔物の股下を潜り抜ける。




 抱える時に見えた2人の顔は青ざめ、子羊のように震えていた。

 目の前で友達が殺されたんだ。無理もない。






「2人とも、動けるか?」

「あ……う……」

「なん……とか……」


 ランシアは完全に参っていたが、グルケはまだ大丈夫そうだ。






 その時、



「驍ェ鬲斐☆繧薙§繧??縺?シ?シ∬姓??シ」



 金属音のような魔物の咆哮とグルケの叫びに呼応し、すぐさま振り返って盾を構える。

 それから1秒も経たないうちに、魔物の黒い爪が振り下ろされた。

盾を持つ手に衝撃が走り、盾からは火花が散る。




 くそっ、やっぱりこっちを狙ってきたか!






「今のうちに逃げろ、こいつは俺達が倒す!」

「でも……」

「さっさと行け! 死ぬぞ!」






 グルケは頷き、ランシアをおぶって走り出す。





 幸いにも、魔物は取り逃がした獲物の再捕獲より八つ当たりを優先したようで、再び前足を振りかざし俺を押し潰そうとする。



2人の事などまるで眼中にない。これなら逃げられるだろう。




 最も、こっちは両手でも押し返せないほどの圧をかけられているわけですが……ッ!








「はっ!」



 どうにか力を逸らし、離脱する。


 さて、ここからどうする……?







「逶ョ髫懊j縺ェ繧薙□繧茨シ∝燕縺九i蜑阪°繧会シ」







 魔物は胴体に備え付けられた2つの機銃でこちらを狙い、銃撃を放つ。







 弾丸の雨を掻い潜り、盾で防ぐ。

 あくまで俺狙いってことか……!








 待てよ?









「タンデ! 俺はこいつを村の外まで誘導する!」

「誘導してどうすんだ!」

「外で戦えば被害が出にくいだろ! そういうことだ!」

「オレは追えばいいのか!」

「そうだ!」

「なんとなく分かったぜ! 死ぬんじゃねぇぞ!」

「ああ!」







 村の外に早く出られるのは確か……こっちだ!









 タンデに背を向け、村の外を目指して走る。

 こいつが俺だけを付け狙うのであれば、村の外まで誘導して野外で戦えば被害は抑えられるはずだ。







「悔しかったら追ってこい! 餌を食い損ねた負け犬め!」

「隱ソ蟄舌↓荵励k縺ェ縺√=縺√=縺?シ?シ?シ?シ」





 通じたのかは分からないが、魔物は追ってきた。




「プッシュ・ウィンド!」






 プッシュ・ウィンドを駆使し、魔物から一定の距離を取りつつ村の外まで誘導する。



 1回目だけ高めに飛び、1番村人がいないルートを確認し…………わ、分からん! 仕方ねぇ、最短ルートだ!






「騾?£繧薙§繧??縺?シ?」溘>谿コ縺励※繧?k縺九i豁「縺セ繧翫d縺後l?」





 幸いにも、最短ルートは道が広く、ほぼ直進だけで進めるルートであった。

 これならすぐに村の外に出られる。道中の物的被害も抑えられるだろう。











 よし、柵が見えた! ここを越えて少し行けば迎撃環境が整う!






「プッシュ・ウィンド!」




 柵を飛び越え、広大な草原を駆け抜ける。

 魔物は……よし、まだ追ってきている。






「よし、駆けっこは終わりだ! 相手してやるぞ!」





 村を抜けて少しした場所で反転し、ファルコンソードを送還して鉄の剣を抜き、魔物と相対する。




「騾?£繧区ー怜鴨繧貞、ア縺上@縺溘°關ゥ繧√?よー励↓蜈・繧峨↑縺九▲縺溘s縺?繧医?∝燕縲?°繧会シ」




 向こうはかなり興奮しているようだ。

 少しでもスタミナを浪費させる事ができていればやりやすいのだが……






「鬟溘▲縺ヲ繧?k?」




 突っ込んで噛み付いてきたところを回避し、右前足に剣による一撃を入れる。

 死角となる身体の下に潜り込むように移動して、更にもう一撃。


 ぶよぶよとした触手が絡まり合って出来たような足を斬り裂く度に、黒い液体が血のように溢れ出る。



「繝翫Γ繧?′縺」縺ヲ?」



 魔物は距離を取って身を翻し、こちらに機銃で攻撃を仕掛けてくる。




 くそっ、 世界観にそぐわない攻撃しやがって!






 まずは盾で頭を守り、走って回避しつつ様子を見る。





 フィンの持つ盾のように全身を覆い隠せるほど巨大な盾ではないため、防御とは言っても限界はある。

 頭くらいなら防護できるが、他は無防備だ。






 盾を貫通する程の火力は有していないが、機動力を優先した今の装備では結構な痛手になる。


 だが、魔法耐性のあるスカイジャケットに当たる分は痛みが抑えられている。




 つまり、これは魔法攻撃の類か……分かったところでそれを攻略に役立てる手段が無いのが口惜しいがな!




「縺。繧?%縺セ縺九→鬯ア髯カ縺励>繧薙□繧茨シ√ざ繧ュ繝悶Μ縺九※繧√?縺ッ?」






 機銃攻撃は射撃方向に多少のバラつきはあるが、位置をずらすか真正面に立てば殆ど当たらない。


 左右に揺さぶるのは俺の足では難しい……となれば……






「正面突破あるのみ! うおおおおおお!!」





 防御態勢のまま走り、距離を詰める。





 機銃が付いているのは身体の横側で、可動するのは上下だけ。

 銃口を内側に向けられない分、真正面から来た敵には対処できない。





 サイズの大きさが仇となったな!








「はぁっ!」





 再び懐に飛び込み、攻撃を繰り出す。







 が、






「蜷後§謇九?縺上i縺?°繧茨シ」




 唸り声と共に、尻尾による薙ぎ払いが飛ぶ。



「くっ!」


 盾による咄嗟の防御で致命傷は回避したが、身体は横に大きく吹っ飛ばされる。






 起き上がったと同時に繰り出された舌による刺突を剣で薙ぎ払う。

 強烈な反動が腕を突き抜ける。




 ガキン、という音はどう考えても触手のような見た目から出されていい音じゃない。






「菫コ縺ッ?√♀蜑阪h繧奇シ∝シキ縺?シ」







 魔物は何度も何度も舌を鞭のようにしならせ、攻撃を仕掛けてくる。



 剣や盾で防いではいるが、奴の攻撃は強力で、1回凌ぐ度に体力が削られていく。


 態勢的にも徐々に押されていく。




「!!」




 打ち合いの末、衝撃に耐えきれず剣を持つ手を離してしまう。






 まずい、このままじゃ……そうだ!







「ガイアエッジ!」








 防ぎきれず身体の内側まで響く舌の攻撃をどうにか堪えつつ、ガイアエッジを手に取る。




「せりゃぁ!」




 鞭のように襲いかかる舌に対し、両手でガイアエッジを振るう。







 橙色に輝く大地の剣による一閃は、迫り来る真っ赤な舌を受け止め、切り裂き、分かつ。


黒い血飛沫が飛び、ガイアエッジの剣先が黒く染まる。






「縺舌℃繧?≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠??シ」





 とびっきりに大きい唸り声を出し、魔物はのたうち回る。




 急いで剣を回収し、反撃に転じる!







「邨カ蟇セ縺ォ險ア縺輔?縺?シ√%縺ョ諱ィ縺ソ縲∝ソ?★譎エ繧峨☆?」








 ……と行きたかったが、向こうが立ち直る方が早かった。


 金属質の鳴き声が何を表すかは分からないが、奴は少々ご立腹のようだ。





 飛びかかりに合わせてバックステップを取ったその時、






「ユナイト・バブル!!!」




 喉を張り裂かんばかりのリズの声が響き渡り、今まで見たものよりも更に巨大な水の泡が魔物の背後に現れる。





 俺がその姿を確認してから数秒後に泡は爆発し、強烈な破裂音と衝撃が襲いかかる。







「待たせたな!」





 降り注ぐ雫を突き抜けるようにして現れたのは、リズを米俵担ぎし、ズッカを小脇に抱えたタンデ。

 先の魔法で力を使い切ったのか、リズは脱力しきっていた。






「ごめんね、遅くなっちゃった。はい、傷薬」

「ありがとう。そっちは大丈夫なのか?」



 タンデに降ろされたズッカから手渡された傷薬を飲みながら尋ねる。




「荒療治だけど……魔力を消費して殆ど空っぽにしたら……なんとか、ね」




 そう述べるズッカは苦しそうな顔をしているが、あの魔物と最初に遭遇した時と比べれば、かなりマシだ。


 彼の言葉から察するに、リズはありったけの魔力をぶつけたのだろう。






「んじゃズッカ、こいつは頼むぜ」

「うん、分かった」



 リズをズッカに託して身軽になったタンデが、短剣を構えて戦闘態勢になる。



 雨のように降り注いだ雫は全て地に落ち、水溜りの上には水を振り落とす犬のごとく身体を振るう魔物の姿がある。


 ある程度は効いているようだ。







「さて、あの気色悪いのぶっ飛ばしてサッサと帰ろうぜ!」

「ああ、そうだな!」




 地を蹴り、一気に距離を詰めるタンデに追従し、魔物との距離を詰める。





「謇倶ク句他縺ウ縺九=?溽僑縺?焔菴ソ縺?d縺後▲縺ヲ繧医♂?√□縺御ソコ縺ョ譁ケ縺悟シキ縺?シ?シ?シ」

「へっ! 狙いが滅茶苦茶な攻撃なんか当たるかよ!」





 魔物の仕掛ける機銃掃射をタンデは掻い潜り、俺は盾を構えて突撃する。





 魔物の目前まで迫ったタンデは跳躍して攻撃を仕掛ける。



「うぉらぁ!」




 タンデの放った斬撃は確かにダメージを与え、反撃とばかりに噛み付こうとした横っ面を蹴って離脱する。





「そらっ!」




 その隙にお留守になった足を斬り裂く。

 狙うは最初に俺がダメージを与えた箇所!




 振り抜いた剣は傷ついた触手を斬り裂き、硬いものに衝突する。


 骨でも付いてるのか?





「縺?●縺?s縺?繧郁勠繧ア繝ゥ縺ゥ繧ゅ′縺?シ?シ」






 魔物は傷つけた方とは逆の前足を軸に高速で180度旋回し、俺に向けてタックルを仕掛ける。



 くそっ、こいつの執拗な俺狙いは何なんだ!?




「ぐっ……!」



 身体自体は細いとはいえ巨体のタックルはかわしきれず、攻撃をモロに受けてしまった。




 身体は宙を舞い、地を転がり、天と地が何度もひっくり返る。





 これ1つで戦闘不能になるほどではないが、一切流せずに受けた分ダメージは大きい。




「繝偵Ε繝上ワ繝擾シ√◎縺ョ縺セ縺セ豁サ縺ュ縺?シ?シ」

「シンヤ! うわっ!?」




 くそっ、このタイミングで銃撃か!





「この野郎、こっちを向きやがれ!」




 タンデが攻撃を加えているが、一向に関心を示さずこちらを狙い続ける。



 逃げ回ってはいるが、今の傷では反撃はできない。

 その上、薬草や回復薬を使おうにも使用前後の隙をカバーできるものが今は無い。

 この弾幕ではズッカやリズの助けも期待できないし、タンデは位置が遠い。





 ファルコンソードで一気に抜けるか……? いや、防御力低下のリスクは今の俺には致命的だ。








 どうする……?







 策を考えていた時、後方からヒュッと風を切る音がした。

 あれは、石と……逃走用の煙幕?





「縺?o縺」??シ滉ス輔□??シ」






 石と煙幕は魔物に命中し、魔物は煙の中へ姿を消す。



「シンヤ! 今のうちに回復を!」



 振り返ると、投石紐を持ったズッカがそう叫ぶ。




「助かった! ありがとう!」


 ズッカに礼を言い、予め彼から貰った回復薬をグッと飲み干す。






 抑えられているとはいっても、痛みのフィードバックとその後の身体の麻痺は残っている。


 そこらのRPGみたいにリスク無く回復アイテムは使えない。

 いや状況的にリスクの生じる使用タイミングとかはあるけどもそういう事ではなく。





 よし、動けるようになった。

 さて、奴はどう来るか……。






「縺昴%縺九≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠??シ」






 煙幕の中から姿を現した魔物は、全速力でこちらに向かってくる。

 大口を開け、こちらに噛みつく気満々だ。





 であるならば……







 弓を構え、矢じりにマヒ薬を塗り、狙いを定める。







 大型の魔物に状態異常は通りにくそうだが、口の中を狙えば、あるいは……!






「はっ!」





 口の中めがけた矢は命中こそしたが、魔物は御構い無しに襲ってくる。

 若干回避が遅れ、右足に攻撃が掠る。



 軽傷とはいえ、嫌なところに掠ったな……!






 好機とばかりに魔物は連続で畳み掛けてくる。




 引っ掻き2連続、尻尾の薙ぎ払い、噛み付き攻撃を防いだりかわしてりでどうにか凌いでいたその時。






「縺ェ窶ヲ窶ヲ菴輔□??シ溯コォ菴薙′窶ヲ窶ヲ?」




 魔物の動きが急にぎこちなくなった。


 マヒ薬が効いたか?






 とにかく今がチャンスだ!





「ガイアエッジ!」




 ガイアエッジを呼び出し、切り刻む!







「……あれ?」






 ……はずが、ガイアエッジは手元に来ない。


 ふとガイアエッジの普段の姿である指輪の方に目をやると、橙色の宝石は目の前の異形の魔物の体表のように黒く濁り、輝きを失っていた。




 何だ? 一体何が起こっているんだ?







 ともかく、使えないのであれば仕方ない。


 そう思い、鉄の剣を抜いたその時、





「イローシオン・ブロッサム!」



 聞こえたのはメアシスさんの声。



 声のした方に目をやると、魔物に桜色の斬撃を繰り出すメアシスさんの姿があった。


 斬撃の痕からは、光る桜のような花がが次々と咲き乱れる。




「ご無事かしら?」



 メアシスさんは俺の方に顔を向ける。

 彼女は青色の半透明な球状のバリアを纏っている。プロテクションの色違いっぽい感じだ。



「ええ、俺は大丈夫です」

「ピーステールから異様な魔力を検知したとの報告がありましたのでもしやと思いましたが……やはり異形の魔物でしたわね……」



 やっぱり、こいつが異形の魔物か。




「暫しお待ちくださいまし……盾よ、我が意に従い異形の侵食からかの者達を守りたまえ! マインドシールド!」




 俺とタンデ、それからズッカとリズに、メアシスさんんと同じ青いバリアが展開される。





「症状は戦闘が長引くほど重症化しやすいようになっています。ここは私達が預かりますわ」






 彼女がそう言う間に、ロッソさんやダマスさんを始め、ズズロウラ討伐に参加した冒険者が次々と混沌の魔物に攻撃を仕掛ける。



「ありがとうございます。ですが、俺は大丈夫です。それに、奴の狙いは俺です」

「本当に大丈夫ですの?」

「ええ。魔力が高いほど深刻化するのであれば、俺には通りません」

「分かりましたわ。なるべく早く終わらせます」




 メアシスさんは近くの冒険者に指示を出すと、魔物の攻撃に参加する。






「莉イ髢灘他縺ウ縺九h?∝国諤ッ縺ェ謇九r菴ソ縺?d縺後▲縺ヲ?√□縺後?√%縺ョ菫コ縺九i騾?£繧峨l繧九→諤昴≧縺ェ?」





 異形の魔物は、この状況下でも俺を狙ってきた。

 へっ、愚直なこった!




「そら、こっちだ!」





 冒険者達が攻撃しやすい位置に魔物を誘導し、攻撃を一手に引き受ける。




 咲き乱れた花は全身にまで回っており、花に覆われた異形の魔物なんだかシュールな様相を呈している。



 その花と関係があるかは不明だが、攻撃はふらふらで大振りとなり、回避が容易になっていた。





「莉イ髢灘他縺ウ縺九h?∝国諤ッ縺ェ謇九r菴ソ縺?d縺後▲縺ヲ?√□縺後?√%縺ョ菫コ縺九i騾?£繧峨l繧九→諤昴≧縺ェ?」



 魔物は疲労困憊といった様子で、それでも引っ掻きやら噛み付きやらを繰り返している。



 攻撃を繰り出すたびにふらついており、ここまで来ると少し憐れみすら覚えてきた。






「隙あり!」






 隙を見つけて反撃をかました時、なんとも言えない音と共に前足の先が吹っ飛ぶ。






「縺?℃繧?≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ」





 唸り声と共に大きく怯む魔物。





 その隙を冒険者達が見逃すはずもなく、






「烈火!」

「ヴァイオレット・スラッシュ!」

「チェーン・ソード!」





 技の応酬を受け、魔物は地に伏した。







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