第3話 イヤホン
「何聞いてるの?」
「聞く?」
そう言うと彼女は片方のイヤホンを外して僕の方に向けた。
「ちょっと遠いからもっと寄って」
隣に並ぶと彼女はイヤホンを僕の耳に入れた。
鼓動が高まる。
「いい歌でしょ」
「そ、そうだね」
緊張した僕の声は、いつもより半音高くなった。
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