第33話


「楓?大丈夫か?」



「あっうん。ごめんね、急に声かけられてびっくりしたでしょ?

しかも翼全然関係ないのに、ごめん。」




なんで俺の心配ばっかりなんだよ。



ちょっとは自分のことも大切にしろよ。



「なぁ楓っ!」



「はーい!着いたぞー!」




あっという間に家の近くまで着いてしまった。



「はーい!ありがとうございまーす!

また明日きますねー!(笑)」



「おー!待ってるぞー!(笑)」



楓はいつも通り元気に降りていった。



「、、、ありがとうございました。」



「元気ないな、喧嘩でもしたか!?」



「あっいえ。してないです。」



「明日は元気にこいよっ!」



「はい。また明日!」




バスのおじさんにまで心配されるほど、俺の方が落ち込んでるのかもしれないな。





「じゃあ、今日は帰るね?

翼も、あんまり気にしないでね!」



「えっ。」




そう言って楓はすぐ自分の家に帰ってしまった。



いつもならすこしでも話すのに。


やっぱり話さない方がよかったのかな、、。



こんなに近くの人に頼りにされないことって今までなかったなそういえば。


どうしちゃったんだろう俺。


楓のことになるとなんでこんな弱気なんだろう。




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