第6話

「おまたせー!」



「おー!」



楓がこっちに戻ってくるときも、他の男子高校生がちらちら見てるのがわかった。




「なぁ、楓の彼氏ってどんな人なの?」



「どんな?んー、どんなだろう(笑)

でもここ通ってるよ?(笑)」



「え!!!そうなのか!?

えっ俺と一緒にいて大丈夫か?」



「うん、たぶん。

むしろむこうが友達といるときは話しかけてこないでって言ってた(笑)」



「え、、、?」



なんでだ?



「ははっ(笑)

そんな驚かないで(笑)

彼氏ね、ギャルみたいな可愛い子好きなのよ、だから私が彼女って言うのが恥ずかしんじゃない?」



「は?うそだろ?

おまっ、、、さっきもだけど、俺と一緒にいる可愛い子だれ?って聞かれたぞ!!」



「あら?それはそれは、有難いお世辞をありがとう!(笑)」



「いやお世辞じゃねーから!!」



「実際付き合うのは顔じゃねーよな。って何回言われたことか!(笑)

だからね、なるべく言うことはその通りにしてる。」



「そんなの、、、そんなのつらくねーか?」



思わず眉間にしわがよる。


だって、、、なんだよそれ。

なんでだよ。



「怒らせたりするのがこわいからさー!(笑)

顔じゃないけど、中身をいいと思ってくれてるってことで!(笑)」



いやいや、自分の彼女にそんなこと言うやついるのか!?

なんでこいつ自分にこんな自信ねーの!?

こんな綺麗なのに、明るくて気さくで、彼氏はこいつのことどう見えてんだよ。



「、、、そんな好きなんだ?」



「超!(笑)」



なんか、可愛い子って、すごい偏見だけど、一途な子がいるイメージなかったんだけど、

ちがったんだなぁ(笑)



「一途なとこがまた可愛いとこだよな(笑)」



「え?(笑)

ん?ありがとうございまーす?(笑)」



もうこの言葉ですら全然響いてないもんな。




「あ、いた。あれ!あそこにいるの彼氏!」



楓が指差した方を見た。




うーわ。かっこいいー、、、。

なんか、顔が?ってより、オーラがかっこいい。



「すーげーかっこいいな。」



「え?そう?(笑)」



なんていいながら嬉しそうな顔をしていた。



楓の彼氏は、男女混ざったグループにいて、すごく楽しそうにしていて、

こっちには見向きもしなかった。



楓はそれでいいって言ってんのに、

俺がずっとモヤモヤしている。

もっと自分を大切にしてほしい、そればっかり考えてしまう。

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